スマートフォンの背面を「楽しめるディスプレイ」にしたASUS「ROG Phone 5 Ultimate」が登場! スマホの技術革新はついに背面まで行なわれた。
普段何気なく見ているスマートフォンの背面。ほとんどの製品は左上にカメラが搭載されている。最近ではあまり見なくなったが、中央上部には指紋認証センサーを搭載している製品もある。それ以外に目立つのはメーカーロゴくらいで、どのスマートフォンを見ても似たような外観となっている。
しかし毎日持ち運ぶスマートフォンの裏面が「ただの板」としてしか使えないだなんて、勿体ないとは思えないだろうか。スマートフォンの表面であるディスプレイは、高解像度化やリフレッシュレート(画面の書き換え速度)の高速か、フロントカメラを小さくするなど技術の進歩が著しいが、背面に関してはスマートフォンが生まれた10年以上前からほとんど進化が無い。
背面で遊べるスマホ
「ROG Phone 5 Ultimate」
そんなスマートフォンの背面を「楽しめるディスプレイ」にしたのがASUSの最新モデル「ROG Phone 5 Ultimate」だ。ROG PhoneはASUSが展開するゲーミングスマートフォンで、高速CPUを搭載するなどハイスペックな製品だ。iPhoneやGalaxyなど大手メーカーのスマートフォンよりも実は高性能なのだ。ROG Phone 5には3つの製品バリエーションがあるが、ROG Phone 5 Ultimateは「Ultimate=究極」の名の通り、現存するすべてのスマートフォンの中で最も高いスペックを有している。
チップセットはクアルコムの最上位モデル「Snapdragon 888」。動作を左右するメモリは最大18GBを搭載。ちなみに一般的なハイエンドスマートフォンは12GB程度。18GBのメモリ容量は業界でトップだ。しかしROG Phone 5 Ultimateの魅力はスマートフォン本体のスペックそのものだけではない。背面に搭載されているセカンドディスプレイ「ROG Vision」に注目なのだ。
ROG Visionはモノクロ。文字のみならずグラフィックを表示できる。本来は時刻やバッテリー残量をリアルタイムで表示したり、ゲームに応じて効果的なエフェクトを見せる、あるいはSNSの通知を知らせるといった用途に使われる。
ROG Phone 5 Ultraにはゲーム関連の設定をするアプリ「Armoury Crate」がインストールされている。このアプリを使うとゲームプレイ中は一切の通知や着信を受けずゲームに没頭できるモードにも切り替え可能だ。モバイルゲーマーにとって、ここぞという戦闘シーンで画面上にLINEからの通知など来たらゲームへの集中力も途切れてしまうだろう。ゲーミングスマートフォンとは普通のスマートフォンには求められない機能が備わっているのだ。そしてこのArmoury Crateの中に、ROG Visionのカスタム設定画面が用意されている。
設定は簡単。WEBで見つけた
イラストなども表示できる
ROG Visionには自分で撮影した写真をギャラリーから選んで表示もできる。モノクロだがこの小さい画面に写真を表示できるのは面白い。ディスプレイのスペックは公開されていないが、恐らく16階調のグレースケール表示ができる。そのため写真も味のある表示が可能だ。ちょっとしたコミュニケーションツールにもできるかもしれない。
このようにスマートフォンの裏面の一部にディスプレイを搭載するアイディアはASUSが最初ではない。中国のハイスペックスマートフォンメーカー、Meizuが2017年に発売した「Pro 7」はカメラのファインダーとしても使える1.9インチのカラーディスプレイを背面に搭載していた。しかしこれといった使い道がなく、他のメーカーの採用も進まなかった。
サブディスプレイ搭載モデルが増える!?
しかし今年に入り、3月29日にシャオミが発表した「Mi 11 Ultra」は背面カメラの横に1.1インチのディスプレイを搭載。これもカメラファインダーなどとして使える。また普段は時計なども表示できる。
ゲーミングスマートフォンはASUS以外にもシャオミ傘下のBlack Shark、ZTE関連会社のNubiaが出すRed Magic、さらにPCメーカーレノボがLegionというブランドで製品を出している。今後ROG Phone 5 Ultimateのように背面ディスプレイを搭載する製品も出てくるだろう。また一般的なスマートフォンでも、カメラモジュールの大型化により、そこにサブディスプレイを搭載するMi 11 Ultraのような製品も出てきそうだ。いずれスマートフォンは裏返しておいても時計や通知を見たり、お気に入りの写真を表示できることが当たり前になるかもしれない。