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格安中古車はダイヤの原石だ!

100万円で組む、アウトドア×SDGsなカスタム車

author: 佐藤 旅宇date: 2021/08/19

ダイヤの原石を見つけて自分で磨き上げるカスタム車。昔の車には魅力的なものがたくさんありました。そんな旧車、しかも今では人気がないものをベース車として購入して、アウトドアライクに仕上げていく。MTV「Pimp My Ride」のようなイメージで、私、佐藤が挑戦します!

このところ、安価に流通しているSUVやミニバンの中古車をグレーやサンドベージュなど、アウトドアシーンに映えるアースカラーにペイントし、カスタムコンプリート車として販売するショップが増えてますね。オリジナルを重視する人にとっては邪道かも知れませんが、こうやって付加価値をつけて販売すれば新しいオーナーに大事にして乗ってもらえるでしょうし、個人的には良いんじゃないかな~と思ってます。

ただ、それが「流行」になってしまうと魅力を感じにくくなるのも事実。カスタムってそもそも個性の発露じゃないですか。あちこちのショップが同じようなコンプリートカスタム車を沢山販売していたらその意義はどうしても薄れるってもんです。いわゆる陳腐化ですね。ビジネスとしてやるなら同じベース車、同じ色、同じ部品を使ってカスタマイズした方が効率的で利益も出ると思うので仕方ないとは思いますが。

で、僕は考えました。これらのカスタムコンプリート車っておおむね100万円前後で売られています。それだったら自分で格安中古車をベースを買って総予算100万円で好きなクルマを作ればええやんかと。それだったら車種も仕様も自由にチョイスできるし。

ただし、ショップのように業者オークションで仕入れることはできないので、同じ内容のカスタムをするにしてもどうしても割高になってしまうのは否めないところ。ま、そこはセンスで勝負です。

何にせよクルマ+カスタムで100万円というのはかなりシビアな予算です。カスタム作業をDIYでできるならかなり違ってきますが、あいにくそんなスキルも場所もありません。当然、高年式車や人気車種はハナから除外。信頼性に不安がある格安輸入車も除外。かくして「低年式・国産・不人気」という条件が必然的に導き出される訳です。

不人気であることは立派な「個性」

全体予算を勘案するとベース車は乗り出し50万円以下に収めたいところ。スポーツ系やクロカン・四駆系モデルは根強い人気があるので、そこそこ状態の良いものはどれも予算オーバー。そこで私が目をつけたのが90年代前半に登場したミニバンたち。当時はファミリーカーの主流がセダンからミニバンへと移行し始めた時期であり、意欲的なモデルが各メーカーから続々と登場していたんですね。それなのに中古車はどれも二束三文。ミニバンは基本的に実用車なので、「クラシック」としての価値ってほとんど認められていないんです。そこで私が選んだのがこれ。

「96年式 日産 ラルゴ・ハイウェイスター」

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現在42歳の私には青春時代ど真ん中な車であります。納車整備・新規車検二年付きで42万円という格安価格。外装は年式なりですが、オリジナルを保っており、内装はめちゃくちゃ綺麗でした。走行距離も5万㎞台でエンジン&ミッションの調子も抜群だぜやったぜ!

昔は沢山走ってましたが今はほとんど見ることがなくなりました。ワタシ的にはむしろそれが魅力的だなと。多くの人がノスタルジーを共感できる車というのは「ネオ・クラシック車」としての素質が高いって事であると思うんです。

あとは過渡期ならではの個性的なデザイン&スタイリング。FR(で)キャブオーバー型のミニバンなんて今や存在しないですから。しかもリアサスは樹脂製の板ばねを用いたマルチリンクサスという凝りよう。

現在のミニバンと比べると着座位置がやたらに高く、まるでバスの運転手にでもなった気分。「アシの良いハイエース」というのが運転したときの第一印象でした。

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そしてド派手なボディサイドのストライプ。今どき、スポーツカーだってこんなに気合の入ったデカール貼られてないですよ。

全高に対して幅が狭いので少し貧相に見えますが、全体的なシルエットはアメ車っぽく見えなくもない。スチールホイールにBFグッドリッチのホワイトレタータイヤを履かせるだけで一気にカッコよくなりそう、そんな予感がしたのであります。

石コロを磨いて価値を高める

そして購入から数か月後、こんな感じにカスタムしてみました。テーマは「アメリカンなバン」。当初はボディ全塗装を考えていたのですが、予算内に収まらず断念。元の良さを活かしつつ、グリルやミラーなどの部分塗装と中古部品を活用して仕上げ。車両+カスタム費で103万円でした。

ホイールはC23型セレナ用の鉄チンの中古を入手。ラルゴは当時の日産の最上級ミニバンでありながら、タイヤサイズが14インチと小さく、タイヤがあまり選べないのが弱点。ここはニッチなサイズもラインナップされているBF グッドリッチの「RADIAL T/A」をチョイスしました。これだけでぐっとアメ車風味がアップだ。ホイールは自分で缶スプレーでペイント。他車用のセンターキャップを「墨入れ」して装着してある。

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ついでにエアロパーツやバイザーも剥ぎ取ってバン風のすっきりとしたエクステリアに。エアロ取り付け用の穴はパテ埋めして塗装してあります。当時の純正アクセサリーのグリルガードにKCデイライトのフォグランプを装着してタミヤのRCカーのような可愛さも加えてみたりして。

当時のミニバンは多彩なシートアレンジがウリでした。このラルゴもセカンドシートを90度回転させて固定することが可能です。キャンプのときなんかに便利。

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ラルゴというと、これまでローダウン、インチアップ、フルエアロといった「いかつい」ドレスアップカスタムがほとんどだったので、完成した愛車で街を走ってるとかなり目立ちます。

ま、100万円あればベンツ・ビーエムの比較的まともな中古車だって買えるので、マニアの酔狂な遊びには違いないですが、ダイヤの原石を見つけて自分で磨き上げる行為ってのはやっぱり心躍りますし、こういう「ポンコツ」に再び命を吹き込むことはSDGs的な観点からも「今」っぽいといえます…よね?

「欲しいクルマがない…」そんな人はぜひ格安中古車+カスタムでクルマ探しをしてみることをおススメします!

写真/佐藤旅宇、高柳 健

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編集者・ライター
佐藤 旅宇

オートバイ雑誌、自転車雑誌の編集部員を経て2010年からフリーランスの編集ライターとして独立。タイヤ付きの乗り物全般や、アウトドア関連の記事を中心に雑誌やWEB、広告などを手掛ける。3人の子どもを育てる父親として、育児を面白くする乗り物のあり方について模索中。webサイト『GoGo-GaGa!』管理人。1978年生まれ。
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