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「一番大事なのは、自分を愛して楽しむ気持ち」

「Art Culture Street.vol.4」でYUUKIが伝えたかったこと

author: 那須凪瑳date: 2024/10/10

元・CHAIのメンバーであり、現在はマルチクリエイターとして活躍するYUUKIさんが主催するアート・カルチャー・音楽・ライフスタイルのニューイベント「Art Culture Street.」。2024年9月22日(日)、渋谷PARCO 10Fにて行われた本イベントには、大勢の人々が集まった。
 
では、今回で4回目の開催を迎えた本イベントはどのような想いで運営されているのだろう。朝から密着した当日の様子と、YUUKIさんへのインタビューをお届けしたい。


「Art Culture Street.」。4回目のテーマは「SELF LOVE」

これまでも渋谷PARCO 10F「ComMunE」で行われてきた「Art Culture Street.」(以下、ACS)。第2回よりイベントテーマを掲げ、出展するアーティストやクリエイターがテーマに沿った作品づくりやグッズ販売を行なってきた。

4回目の開催となった今回のテーマは、「SELF LOVE(セルフラブ)」。セルフラブといえば今年3月に惜しまれつつ解散した、YUUKIさんが所属していたバンド・CHAIが活動を通して発信してきたメッセージでもある。では、YUUKIさんにとってセルフラブとは、どのような意味を持つのだろう?

YUUKIさん

「私がセルフラブを日常的に意識し始めたのは、CHAIの活動をし始めた頃から。作詞を担当しているなかで、『SELF LOVE』のメッセージを伝えるために色々と考えを巡らしながら歌詞を書いていて。それが曲になって、演奏して、自分でも聴いてという過程で、どういうふうに伝えたら/自分がどういう状態でいたら『気持ちがいいか』っていうことを、学ぶことができたんです。私にとってセルフラブは、失敗しても、落ち込む日があっても、“自分をマイナスからプラスまで全部愛す”っていうこと。最近やっと、そんなセルフラブが自然と自分の中で循環するようになりました」

今回のイベントテーマを「SELF LOVE」にしたのも、自分が自然とセルフラブを実践できるようになったのがきっかけだという。

「これまでのテーマは『クリスマス』と『いぬとねこ』だったんですが、今回はもっとマインドの部分にフォーカスしたテーマ設定にしたくて。ここに集まってくれるアーティストやクリエイターの方々は普段各々活動している人たちだから、きっとそれぞれのアプローチ方法で『SELF LOVE』を表現してくれると思ったんです。みんなのセルフラブが色濃く表れて、この場で化学反応が起これば、イベントでの偶然の出会いや人との繋がりがより強いものになるかなって。あと、『自分以外のいろんな角度からセルフラブを見たらどうなるんだろう?』っていう私の楽しみでもあり、それはお客さんにとっても刺激になるんじゃないかと思って、テーマに設定しました」

「今回が4回目ですが、規模や『ACSらしさ』みたいなものを毎回更新できているんじゃないかと思っています。ただ、天気の心配もそうだし、『来てくれるかな?』っていう気持ちあって、毎回緊張します。このドキドキには、一向に慣れません(笑)。でも、結局楽しく終われることはわかっているので、みんなのパワーも借りつつ頑張ります!」

出展者は過去最多の36組。「ACS」で見つける各々の「SELF LOVE」

当日はボランティアスタッフも集まり、着々と準備が進み、会場は徐々にイベントらしい雰囲気に。

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準備が整ったところで、YUUKIさんより全員に向けて「良い日になると思いますので、どうぞよろしくお願いします!」という挨拶がされたあと、ついにオープン。オープンと同時に来場するお客さんもおり、ACSがいかに愛されているイベントかがうかがえた。

第4回の出展者数は、過去最多の36組。セルフプレジャーブランド「iroha」や、TENGAによるコラボレーションアパレルプロジェクト「TXA」、“あなたと共に、在り続けてゆけるジュエリーを。”を掲げるジュエリーブランド「mémé」、ラブリこと白濱イズミのビューティーブランド「ikaw」といったテーマに沿ったブランドの出展から、前田豆コ、Saki Morinagaといった注目アーティストの出展まで。会場は多種多様な出展者たちと、ユース世代から子連れ世代まで、幅広い来場者で大いに賑わっていた。

「イベントテーマとして『SELF LOVE』を掲げてはいますが、その先にどんなメッセージを込めるかは、出店者のみなさんに委ねているんです。その方が、私の中にはない“広がり”が出るんじゃないかって。テーマはあれどアプローチはさまざまなので、どんな世代や性別の方が参加しても見応えあるイベントになっていると思います」

さらに、見どころはこれだけでなく、北村蕗、永原真夏、Czecho No Republicの武井優心とタカハシマイによる音楽ユニット・Living Ritaといったミュージシャンのライブパフォーマンスや、国内外で個展を開催する人気ペインター・Toyamegのライブペイント、そしてYUUKIさんによる初の取り組みである「参加型のライブペイント」も実施。

Toyamegさんによるライブペイント

YUUKIさんによる「参加型のライブペイント」

初の取り組みだったものの、「参加型のライブペイント」には大人から子どもまで、多くの方々が参加し、キャンバスに思い思いの色を重ねた。こんなふうに「自由にアートを楽しむ姿」も、イベントテーマ「SELF LOVE」を体現していたように思う。

Beyond magazineも出展。セルフラブなグッズから、似顔絵まで

初のコラボレーションを果たしたBeyond magazineからは、ユースカルチャーを発信するメディアとして、ユース世代のアーティストとクリエイター合計3組が出展。加えて、Beyond magazineの特設ブースでは、“セルフラブなグッズ”が当たるガラポン抽選会や、リーフレットの配布などを行なった。

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出展してくれたのは、“日常の幸せを共に、対話できる植物たちの提案を目指す花屋”「jedi」、イラストレーター・グラフィックデザイナーとして活躍するマトバユウコ、下北沢の『BONUS TRACK』に店舗を構える日記専門店「日記屋 月日」の3組だ。

「jedi」ブース

マトバユウコさんブース

マトバユウコさんの似顔絵ワークショップも

「日記屋 月日」ブース

ユース世代を中心に賑わったBeyond magazineブースだが、なかには子連れの家族の姿も。「日記屋 月日」のスタッフと「日記を書く意義」を話す人、お子さんの似顔絵をマトバユウコさんに描いてもらう人、ガラポンで豪華景品を当てて喜ぶ人など……、思い思いに楽しむ姿が印象的だった。

「Art Culture Street.vol.4」。YUUKIが伝えたかった思いとは?

オープンの11:00からクローズの21:00まで、客足が途絶えることなく大盛況にて幕を閉じた「ACS」。最後には、会場に用意されたアンケート式のボートがステッカーでいっぱいになっていた。

撮影:YUUKIさん
テーマ「SELF LOVE」にちなんだ、アンケート式のボード

来場者も出展者も、みんなが「SELF LOVE」とアート・カルチャーの交差を楽しんだ「ACS」。最後に、YUUKIさんに本イベントを通して伝えたかった思いを聞いた。

「『SELF LOVE』という、近頃ありきたりになってきた言葉のなかに『こんなにもメッセージもアプローチも違う表現があるんだ!』と、刺激になっていたらいいなと思っています。そして何をするにしても、生きていく中で一番大事なのは『自分を愛して楽しむ気持ち』です。なので、大人も子どもも一緒に楽しめるこの空間の中で、自分の本当の気持ちや夢などが湧き出てくるきっかけになったらうれしいなと思っています」

「ACSに関わってくれたみんな、ありがとう!」

YUUKIさんが大事だと話す「自分を愛して楽しむ気持ち」を、アートやカルチャーを通して再確認する機会となった「Art Culture Street.vol.4」。次回の開催も楽しみだ。

Photo:橋本美花
Text &Edit:那須凪瑳

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Beyond magazine編集者・ライター
那須凪瑳

音楽メディア会社で働いた後、フリーランスに転身。現在はカルチャーメディアを中心に執筆、企画、編集も。音楽をはじめとする「文化」が社会に与える影響に興味を持ち、日々その可能性を探究中。
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