MENU
search icon
media
Beyond magazineでは
ニュースレターを配信しています
  1. TOP/
  2. ファッション/
  3. 理想と現実のギャップを埋める「aniary」のクリエーターズバッグはまもなく10年選手!
ファッション

デザイン&アート系ライター・高橋 正明の偏愛品

理想と現実のギャップを埋める「aniary」のクリエーターズバッグはまもなく10年選手!

author: 高橋 正明date: 2023/01/07

仕事がらデザイン意識の高いモノや人を取材してきたが、自分の使うバッグはシンプルな生成りや黒の布製のトートが多かった。あるとき、ハイブランドの取材も増えていたのでトートで行くのもカジュアル過ぎるのではないかと思い、自分なりに奮発して買ったのが「aniary」の2WAYバッグ(01-09003/2WAYショルダー/59,400円)。

機能的な2WAY仕様で、ポケットも見た目よりもさりげなく多い。当時は「クリエーターズ・バッグ」とか「エディターズ・バッグ」という言い方もされていた。実際、筆者はエディターでもあるのだが。

現場ではハンドフリーで肩にかけるバッグは便利だが、手提げ鞄やショルダーバッグではちょっとかしこまった会議室には不似合いだし、とは言っても、ステレオタイプなブリーフケースではマトモ過ぎて、持っている人の個性も見えにくい。ファーマルなTPOでもそれなりの個性を示すのに高級感のある2WAYタイプは便利なのである。

理想と現実を埋める2WAYバッグ

大手町の地階にあったショップのショーウインドーで見かけて、その深い緑のカラーと光沢のあるクロコ型押しのテクスチャーが気に入った。「aniary(アニアリー)」というブランド名は、以前からメンズファッション誌で散見していたが、思わず手に取っていたものが、まさにそのブランドの製品だったからすでに潜在意識の中の買い物リストに入っていたものが現物に対応したのだろう。

image

「アニアリー」という、どこか人名のような名前が不思議だったが、調べてみると、理想(アイディアル)と現実(リアリティ)を合わせた造語で両者をバランスよく調和させて良いものを生み出すという意味であると知った。存在感があるわりには、カジュアルでもフォーマルでもどんな服装にも合わせやすい上品なカラー。以前あった「アニアリー」の同型のバッグには黄色のようなヴィヴィッドな色もあり、ファッションに気を遣う人なら、差し色としてピッタリだったろう。

これみよがしな派手さのない堅実なつくり

このバッグでは、ファスナーや本体とベルト繋ぐ部分(ここは回転するようになっている)などのディティールの金具の滑らかな形やほどよい重さが心地よい。バッグにとって大切なファスナーはスライダーとも呼ばれるが、重要な金具である。

image

引き手の形状や大きさ、そして重さもポイントで、引っ張りや滑りの良さという機能性が良いだけでなくデザイン性も整っており、これみよがしな派手さを示すことなくユーザーに寄り添ってバランスよく堅実につくられていることが分かる。34×35cmのボディで5ポケット。もちろんレザーのクオリティーや加工も上質だ。

エディターズバッグの面目躍如の機能性

このバッグを連れて、数多く建築やインテリアを見に行ったり、デザイナーや設計者たちの仕事場や現場にも行ったものだ。両サイドのポケットには飲料のボトルや小型のカメラ、スマートフォン、あるいは、光量計やモノキュラーなどすぐ取り出して使える小物を入れる。大きなサイドポケットにはパッドや書類やファイル、雑誌などをしまうのにちょうど良い。エディターズバッグの面目躍如であり、当然ビジネスユースにも最適であるというわけだ。

image

オフィシャルサイトによれば、現在このタイプは、残念ながら一点だけになっている。それはステア(牛革)のクローム仕上げでシャイニーなタイプで、カラーもブラック一色になっている。またいつかクロコ型押しやカラー・バリエーションも復活して欲しいと思う。

忙しさにかまけて、少しメンテを怠っていた時期があり、革が艶を失いそうになって初めて、筆者は愛好者意識に目覚めた。レザー製品のメンテを検索して自分で試行錯誤しながらできるだけのリカバリーを試みた。自分で簡単なクリーニングをし、ワックスをかけ、柔らかい布で丁寧に磨いた。 その甲斐あって、7、8年経っても購入時のフレッシュさを取り戻すことができた。プロダクトとユーザーの対話というと大袈裟だが、そういうモノへの愛着心をわかせてくれることもお気に入り逸品の特性と呼べるかもしれない。

author's articles
author's articles

author
https://d3n24rcbvpcz6k.cloudfront.net/wp-content/uploads/2021/09/242580142_129998076009783_5191538969937844416_n.jpg

高橋 正明

建築、デザイン、アートを取材するライター、翻訳者、キュレーター。オランダのFRAME誌や英、米、独、香港、マレーシア等国内外の雑誌媒体に寄稿。『建築プレゼンの掟』『建築プロフェッションの解法』『DESGIN CITY TOKYO』など著書多数。翻訳書に『ジェフリー・バワ全仕事』『カラトラヴァ』などがある。近著は『MOMNET Redifininfing Brand Experience』。建築家を起用したDIESEL ART GALLERYでのキュレーターや韓国K-DESIGN AWARD審査委員なども務めた。2018年からJCD(商環境デザイン協会)主催のトークラウンジ「タカハシツキイチ」のモデレーターを続けている。東京生まれ、独英米に留学。趣味は映画。
more article
media
どんぐりずが G-SHOCK「FLAME INSIDE」と過ごす、“情熱的”桐生ライフ
PR
date 2024/11/29