Beyond magazineをお読みの皆さまこんにちは、井上花月と申します。いつもはLaura day romanceというバンドで歌をうたっています。Podcast番組の「CALL IF YOU NEED ME」で、友達とおしゃべりしていたりもします。はじめましての方々もどうぞよろしくねー。
今回は、2024年に買った、お気に入りのアイテムを紹介します。
「itimi」で購入した星型の指輪
わたしの2024年のベストバイは、渋谷の古着屋「itimi」で買った、キラキラのアクセサリーたち。
冬とキラキラは結びつく。ある時、写真を撮る人が、同じ晴れた空でも夏と冬では写り方がぜんぜん違うと言っていた。気温と湿度の関係で、冬のほうが透明感の度合いが高くなるそうだ。
たしかに。じっさいそう、存分に身体で感じられる冬の空気と突き刺さるような光の束。だからだろうか、透明感すさまじく、雪や寒さやクリスマスやもあいまって、わたしたちは夏よりも冬と一緒にキラキラしたものを思い浮かべることが多そうだ。
つめたい季節へと向かうとき、わたしはしっかり煌めきのあるものを身に着け始める。1年中光りものは好きなんだけれど、今年は特に選んでいる気がする。
透明マニキュアのラメ、小物入れに付けたラインストーン、まぶたにしのばせるグリッター、譲り受けたヴィンテージネックレス、電池で光るおもちゃの指輪、靴どめの端にあるメタルの花モチーフ、iPhoneに貼るfromタイのシールたち……。物心ついた時から可愛いものも輝くものも大好きだった。今も大好きだ。きっと一生こうなんだと思う。
キラキラしたアイテムは大好き!
何度も、もうダメかも、と思った暑さがほんの少し和らいだ2024年9月の半ば頃。8月にたくさんお買い物してしまったこともあり、翌月からスタートするツアーに向けて、特に新しいものを買うつもりはなかった。
だけれどもちろん当たり前に、そんなわけにはいかなかった。そもそも買い物しすぎは毎月のことだし、ふたつの意味で新しいステージに立つことになるのだし、気持ちが上がるようなアイテムはきっと必要な気がするし。
あいまいな理由を並べながら、気がつけばジュエリーたちが新しい持ち主を待ちわびてところ狭しとわいわい並ぶ、愛すべきショーケースの前にいた。
「itimi」という古着屋さんは渋谷にある。わたしが卒業した学校のとなりに、2021年に大阪から移転してきたのだった。大学生のとき、もしもここにオープンしていたら多分大変なことになっていたので、タイミングがよかった。
古着はもちろん、バッグや小物や、ジュエリーの数々も本当に可愛い。尖ってるものもシンプルなものも、すべてが可愛い。トレンドと、店主さんのその時々の趣味が素晴らしいバランスで混じり合う。遊び心も常に満載で、眺めるだけでは満たされず、結局は何かしらを買って帰ってしまうのがこのお店だ。
わたしは「itimi」ではずっと服ばかり購入していたので、この時ほとんど初めてアクセサリーをじっと見てみたら、どれもこれも欲しいものばかりで、ああ、だからよく見ないように、買わないで済むようにしてたんだ、と変な納得をした。
なかでも目を引いたのは、星型の枠のなか、ラインストーンがこれでもかとぎっしり詰まった指輪たち。いろんな色がある上に、大きさも大小あって、一つひとつが違った。
店長曰く、「アメリカで買い付けたおもちゃみたいなもので」とのことで、値段も小さい方は800円とかだった。大きな星はもう少ししたけれどやはり安い。何色も試させてもらったのち、黄緑と赤とブラックの3つに決めた。単色使いでもいいし、3個着ければうるさい可愛さがよかった。
星型の指輪たちと、イヤモニ
続いて決めたヘアピンは、こちらもラインストーンでできた赤いミニハートの下に、長さのある揺れるパーツが付いたものだった。揺れる部分にも等間隔でラインストーンが付いていて、どこまでもきらめきが尾を引いた。
こちらもアメリカのもので、2000円台。すこし前にシルバーの似た形のピンを買っていて、気に入っていたのでまた同じシリーズのものにしたのだが、赤いハートも大正解だった。
揺れるパーツのついたシルバーのピン
そして、この「itimi」オンラインショップで買った、うすいピンクのラインストーンが散りばめられたハート型のネックレス。ネットで見つけたキティちゃんのまっ赤なハートのチープなネックレスと一緒にすると最高に気持ちが上がることに気がついて、夏じゅうずっとそのふたつを重ね付けていた。
ハートのネックレス、ハートのピン、キティちゃんのネックレス
ツアー中は、会場によって身に着けるキラキラたちを変えた。服やヘアメイクに合わせて着けたり取ったりして、歌う最中もよくそれらに触っていたと思う。癖で、からだのどこかにふれながら歌ってしまうところがあるけれど、指輪などはとくにそうして歌ってしまうことに、今回初めて気がついた。
あとから写真で見てみたら、わたしと共にステージでライトを浴び、光を集めたジュエリーたちは、思う存分本領を発揮した結果、キラキラを超えギラギラになっていた。
反射の関係で、ひし型のお星様のように写ったそれらを見たとき、その光にわたしの気持ちのすべてがあるようだった。ステージの上でも外でも、歌をうたう喜びを結晶にして、身にまとえる嬉しさよ。
ずっとお守りのようだった。きっとこれからもキュートな煌めきを抱えつづけてしまう。こんなに頼りない希望の記憶は、きらきらひかるものたちからしか味わうことはできない。