夜の外食が極端に減った。今これを書いている時点の東京では、飲食店は終日酒類提供停止。しかもまだまだ続きそう。さすがに酒を飲まずにストイックに食事だけ楽しむという趣向の会食もそうないので、夜の予定はまったく入らなくなった。冒頭に「夜の」とわざわざ書いたのは、昼は結構飲食店を利用しているからだ。僕は(台湾旅行を例外として)昼間に飲酒する習慣がない。正直ランチをビールやシャンパンとともにと思う時もなくはないが、飲まない。夜まで我慢して晩御飯の時、最初のビールで喉を開く。キンキンに冷えたビール。その一口目の満足度を考えれば中途半端に飲むことなんて勿体無い。飲酒前提ではないので、酒類提供していなくても何も問題はない。なので、お昼は最近外食を楽しむ貴重な機会となっている。
そういう状況のせいか、今までランチ営業してなかった店が昼間も開けていたり、そうでなくてもランチの内容は充実させたりしている。お昼外食天国。今がチャンスだ。
例えば焼肉。ロースターの上や内部に高機能な換気装置が設置されていたり、印象としてかなり換気は万全の体制に見える。コロナ時代の理想的な外食の形とも言えるのだろうか。実際居酒屋チェーンが順次焼肉店に業態変更していくことを発表したし、一人焼肉スタイルの店が話題だったり実際焼肉業界は活況のようだ。夜だったら当然ジョッキ片手にビールをグビグビがマストとなるのだが、昼であれば焼肉を定食として楽しむことができる。
焼肉といえば僕は断然、渋谷の「炭火焼 ゆうじ」なのだが、ここは単なる焼肉というよりゆうじさん流の肉割烹というか、肉料理のある種の究極の形となっている。ご飯茶碗片手にハグハグという楽しみもあるにはあるが、いかんせん営業は夜のみだ。
ではご飯ハグハグ系の焼肉はどこか。驚くほどのコスパで焼肉ランチを提供しているのが同じく渋谷の「ビーフキッチン渋谷店」だ。「ビーフキッチン」はもともと中目黒にあって、某パフォーマンスグループのメンバーが多く来店するなど人気の高い焼肉店。そしてオーナーとスタッフが胡座をかくことなく研究熱心。どんどん肉の質は上がり、サイドメニューも充実して、そうなると人気もさらに上がるという好循環の結果、予約が極端に取り辛くなったのだから悩ましい。で、こちらも平日は夜のみの営業。ランチメニューは渋谷店だけでありつける。
僕はどんな焼肉店でも、切り落としなどのいわゆる安い部位も絶対頼む。そういう部分でこそその店の素性が分かるから。安いものが美味しい店は全て美味しい。なので「ビーフキッチン渋谷店」のランチもその名も「お得な切り落とし定食」をまず試した。税込1300円。まあ、そこそこの値段ではあるけど、供された皿の上には様々な部位が7~8枚乗っている。予想以上のボリューム。そしてもちろん美味い。また肉質上がったなぁ。正直切り落としには見えないし、言うなら「盛り合わせ定食」なんじゃないだろうか。脅威のコスパ。
聞くと中目黒本店でもこちらのランチ用に様々な部位の切り落としを集めているそう。このクオリティでこの価格を実現させるためかキムチは追加メニュー。しかし喜んで55円(安い!)を払おうではないか。より一層お昼が充実する。もう食後デザートの最中アイスを420円ながらオーダーすることに躊躇はなかった。しかし昼からこんな贅沢していいのか。
他にもランチメニューにはミートソースパスタやら牛皿定食やらラーメンもある。全部制覇したい気もするし、そもそもランチメニューの上座に位置する1480円の「焼肉定食」は挑戦しなくてはならない存在だろう。しかし、切り落としが良い。むしろ良い。しばらくはこれ一択で通い詰めることになりそう。切り落としにすら一切の妥協のない店、酒類提供が解禁されたら夜に存分に楽しむために訪れることは言うまでもない。
ビーフキッチン 渋谷店
焼き肉屋
住所:〒152-0002 東京都渋谷区渋谷3-21-3 渋谷ストリーム2F
電話:03-6805-1539
営業時間:平日 12:00~14:30/17:00~21:00、土日 12:00~21:00
:不定休
新型コロナウイルス感染予防対策のため、一時的に営業時間を変更しております。
平日 12:00~14:30/17:00~20:00
土日 12:00~20:00