MENU
search icon
media
Beyond magazineでは
ニュースレターを配信しています
検索
Tags
  1. TOP/
  2. エンタメ/
  3. 一軒のレストラン、ロイヤルホスト桜新町店を目指して。
エンタメ

梶原由景が歩いて出会った美味しい店

一軒のレストラン、ロイヤルホスト桜新町店を目指して。

author: 梶原 由景date: 2021/08/23

「安かろう悪かろう」という言説がある。良いものを手に入れるにはお金がかかる。安いものは要は良くないもの。食事で言うと、原材料費をケチっていては美味かろうはずもない。食材の品質が低いのをごまかす様に調味料などたっぷり使っているからそもそも食の道を外れている、などなど。

しかし一方で、「安くて美味い」とも言われるものもある。B級グルメと称される食事がそれだろう。一流料亭で使われている高級食材ではないが、真っ当なものを使い庶民の腹を満たし心を潤わせる。例えばその昔食通と言われる人々が見向きもしかった臓物の類。新鮮なうちに捌いて、その日の夕方には焼いて客に供する。同じ豚や牛の正肉はとんでもない値段になり庶民の口に運ばれることは稀かもしれないが、モツなら話は別だ。いい牛のモツは正肉を凌ぐほどの美味しさ。とにかく新鮮、なんなら生でも食える。かつてそんなもつの魅力を見つけた人たちがいたおかげだ。いわゆるモツ焼きの原風景。「安かろう良かろう」だ。値段は市場がつけるもの。そのものの本質とは違うということだろう。

image

さて、「安くて美味い」食事の代表選手に街の洋食もある。昔、西洋料理に馴染みがなかった頃の日本人に向けアレンジされた料理の数々。和食ではないが、これもれっきとした日本の食事。ハンバーグ、オムライス、エビフライ。最近我々はいわゆるファミレスで手軽にいただくことが多くなった。

僕はほとんどファミレスに行かないけど、たまに無性にファミレスのランチが食べたくなる時がある。それも日替わりランチ。お得な価格がまず堪らない。揚げ物ともう一品、サラダがついてスープも。このスープが目当てだったりする。国内線の機内で出てくる様なコンソメスープ。顆粒をお湯で溶かした様な具も何もないあれ。ジャンクといえばジャンクだが、チープなもの独特の強烈な魅力がある。ちょっとでも思い出すともう居ても立っても居られない。ファミレスにGO。

さっき僕はほとんどファミレスに行かないと言ったが、ある店を除いての話だ。ロイヤルホスト。ステーキやハンバーグで有名なファミレスだし、毎年夏に開催されるカレーフェアはカレーに関して口うるさいマニアたちをも惹きつける。僕も夜、鉄板の上に乗ったハンバーグやソーセージに舌鼓を打ちつつビールをやる楽しみも知っているが、行くのは主にお昼だ。しかし実は、ここにジャンク&チープな味を求めているわけではない。頼むのは平日のランチメニュー「洋食ランチ」一択。これが実に素晴らしい内容でわざわざ行く価値のあるものなのだ。理想のガッツリランチ。で、もちろんファミレス価格。

image

「洋食ランチ」は週に3回メニューが変わる。僕が好きなのは和風おろしチキンカツ。今は木曜日に提供され、シュウマイとサラダが添えられる。洋食なのにシュウマイ? なんて野暮なことを言うのはなし。このシュウマイもまた絶品。酢醤油等かける必要がないほどしっかりした味付け。辛子をつければ実にパワフル。ご飯が進む。しかしこの皿の主役はチキンカツ。ファミレスで提供される揚げ物のクオリティを確実に超えている。衣は油がしっかり切れててカリカリサクサク。中のチキンはしっとりジューシー。月並みな表現だがこれをちゃんと体現しているチキンカツがどれだけあるだろうか。とんかつ屋など揚げ物の専門店に勝るとも劣らないといえば大袈裟だろうか。グランドメニューにも是非採用してほしい一品だ。値段分そこそこ美味いとか、そういう話ではない。僕のようにこのチキンカツを目指していく価値がある。

image
image

一方、月・火のチキン南蛮+国産ポークカツも良い。揚げ物ダブルの迫力で満腹。水曜日のチキングリルトマトソースと黒毛和牛のポテトコロッケも満足度が高い。コロッケ美味しすぎる。このコロッケでビールが飲みたい。というか、いつか「洋食ランチ」をアテに飲みたいものだ。

Slide 1
Slide 0
Slide 1
Slide 0

プラス300円でスープがオニオングラタンにアップグレードできる。これまたビールの友に良さそう。この内容が気持ちいい接客と高度化されたオペレーションによって、素早く間違いなく満足度の高い状態でテーブルに届く。ノーストレス。ロイヤルホストならでは。

つまり僕は昼も夜もファミレスで手軽な食事をしているわけではなく、ロイヤルホストという一軒のレストランを楽しんでいるということになるのだ。しかし繰り返すが、ランチの満足度がハンパない。値段以上。知らない人は損をしている。

ただ僕が良く行くのは桜新町店で、ロイヤルホスト東京本社に下にある旗艦店。ここだけは最高のクオリティを維持し、たまに実験メニューも登場する別格の店舗だという都市伝説もある。確かに内装もクラシックで趣きが違う気もするが、本当にそうなんだろうか。では各地のロイホを行脚してみましょうか(笑)。

ロイヤルホスト桜新町店
ファミリーレストラン

住所:〒154-0015 東京都世田谷区桜新町1-34-6
電話:03-5707-8811
営業時間:8:00~23:00(月~金)、7:00~23:00(土・日)
休:年中無休

※新型コロナウイルス感染予防対策のため、一時的に営業時間・定休日を変更しております。
8:00~20:00(月~金)、7:00~20:00(土・日)

author's articles
author's articles

author
https://d3n24rcbvpcz6k.cloudfront.net/wp-content/uploads/2021/04/055.jpg

クリエイティブディレクター
梶原 由景

LOWERCASE代表。元BEAMSクリエイティブディレクター。ソニーとのデザインホテル・プロジェクトを行うなど異業種コラボレーションの草分けとして知られる。またルイ・ヴィトンとKDDIのモバイルコンテンツを手掛けデジタル、デザインからアパレルまで幅広い業界にクライアントを持つ。藤原ヒロシ氏とコンテンツサイトRing of Colourを立ち上げ情報発信中。
more article
media
FREAK’S STOREとBeyond magazineによるユース世代を応援するプロジェクト「若者フリーク」が始動!
エンタメ
date 2024/11/13