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アート

Photograph Color Chart #002

トイレットペーパー、ぬいぐるみ、我が子。信岡麻美×Pink

author: Beyond magazine 編集部date: 2025/04/11

写真とはなんだろう?
 
写真、画像、静止画、光画、スチール、ピクチャー、フォトグラフ。こんなにもたくさんの同義語があるにもかかわらず、おそらく現代で最も広く使われているのは、“真を写す”と書く「写真」だろう。
 
本連載では、あらゆる撮り手に「色」のみを指定し、視点やその奥深くに迫っていく。
 
第2回は、写真家の信岡麻美。彼女の目に映る「ピンク」とは。
 

信岡麻美

1993年生まれ。18歳より独学で写真を始める。日常のスナップを中心に、アーティスト写真やCDジャケットを手がけ、近年ではライブ撮影も行っている。

Instagram:@asmnbok

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「"Baby Pink"

粉ミルクの缶、哺乳瓶スタンド、ぶたの貯金箱、おしゃぶり、カーテン、1人がけソファ、タオルケット、ハート柄のロンパース、歯固め、ベビーバス、元々なんとなく淡いピンクが多かった部屋に様々なベビー用品が加わり、あちこちに散らばるピンク色。

今回声をかけてもらい本来であればテーマをもとに撮りおろしに出かけたかったのだが、まだまだままならない自分と生活に、ついに新しくセットしたフィルムが日の目を見ることはなかった。

1時間だけ入ったドトールで撮り溜めたものから選ぼうと眺めているとすべては夢のようで、産後こんなにゆっくり自分の写真を見返す機会もなかったためか、思いがけずもう会えない人や行けない場所に想いを馳せる貴重な時間になった。

息子のはじめての高熱に夜間救急へすっ飛んだ帰り道、タクシーの窓から覗く、街灯に照らされ夜風に大きく揺れる満開の桜。ピンク、ようやくやってきた春も相まって母になった今の私には例年よりせつなく映る。子育てはなぜかうっすらずっとせつない。この先彼が経験するであろう出会いに別れ、あらゆる心の機微を想像し胸が締まる。

寝室から熱に浮かされた泣き声がしてきた。どんなものよりも柔らかい桃色の頬を、私はいつまで撫でてあげられるだろう。」(信岡麻美)

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Beyond magazine 編集部

“ユースカルチャーの発信地“をテーマに、ユース世代のアーティストやクリエイター、モノやコトの情報を届けるWEBマガジン。
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