今回は、手軽に使えるミドルクラスのオーブンレンジ(26~27L)を比較した。実際に使ってみた第一印象は「使いやすい」ということ。操作がどれも簡単で、よく使う電子レンジのあたため機能がすぐに利用できる。
フラッグシップモデルよりも小さく、このクラスは3人家族に適したサイズとされているが、4人家族でも問題なかった。1ヶ月ほど色々と調理したが、あたためたり、オーブンで調理したり、ちょっとお菓子作りをするならこのクラスでも十分だと感じた。
性能と使い勝手でパナソニックが1位
テスト内容のメインは使用頻度が高い電子レンジ機能。「ごはんのあたため」「弁当のあたため」の2項目で評価している。そのほか、オーブン機能や使いやすさも評価した。
パナソニックのNE-BS5C。どの項目も高得点で首位!
スピードが早く、全体的にムラなくあたためられたのはパナソニックのNE-BS5Cだ。パナソニックは、なんといっても操作性が抜群で迷わずに操作できる。よく使う機能はボタンが独立しており、いちいちメニュー番号などを指定する必要がない。表示部も見やすく、ミドルクラスで求められる「使いやすさ」でも優秀だった。オーブン機能も優秀で、スポンジケーキの生地もふんわり焼ける。トーストもひっくり返す必要がなく、こんがりと焼けた。バランスがよく、全体を通して高評価となり、1位を獲得した。
東芝ライフスタイルのER-D90Aはドーム状の天井がポイント。料理も便利に使えそう
東芝ライフスタイルのER-D90Aも電子レンジ機能が優秀だ。さらに特徴的なドーム状の天井は、オーブン機能もこんがり仕上げてくれる。旨辛手羽先は、角皿いっぱいに鳥手羽元を並べたのにもかかわらず、ムラなくジューシーに焼き上げられた。対流がしっかり行われている印象だ。また、給水カセットが付属しているのは同モデルのみとなる。他はスチームカップや小皿を使ってスチームを発生させているが、給水カセットに水を入れておけるので手間がかからない。
シャープのRE-WF275はスポンジケーキがふっくら
シャープのRE-WF275は、食品があたたまることで発生する蒸気を検知して仕上がりを判定する機能を搭載している。電子レンジは1人分を作るために利用することも多いが、1人用のレシピも豊富で、ちょっと食べたいときにサッと作れるメニューが充実している。また、とても感激したのはスポンジケーキの仕上がりだ。全体的にしっとりとした仕上がりで、子ども達にも好評だった。お菓子作りをする方はぜひチェックしてほしい。角皿もとても軽いのでお手入れも簡単だった。
日立のMRO-S7C。ごはんのあたためが爆速
日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)のMRO-S7Cは、「ごはんのあたため」が早くて驚いた。あたたまるまでのスピードが早く、中までしっかりアツアツ。加熱時の動作音やファンの音は他社と比較すると大きいものの、スピード重視の方におすすめだ。セラミック製のテーブルプレートを、そのままオーブンやグリル調理で使えるのも便利だ。角皿を他の場所に収納し、出して使うのは面倒だが、その必要がない。角皿が別に付属していないのは同モデルだけで、合理的で使い勝手がよいオーブンレンジだった。ボタンが多く、ダイヤルがないので操作性では好みが分かれるかもしれない。
他社にはない「うきレジ」など、個性が光る象印のES-GW2
象印マホービン(以下、象印)のES-GW26は、他にはない独自機能が目を引く。特に角皿にセットするだけで、簡単に調理ができる「全方位あたため うきレジ」は、難しい「蒸し鶏」もパサつかず、やわらかくできたので感激した。レンジを浮かせることで食材上部と底部の加熱ムラを抑えられることが実感できた。ただ、オーブン機能は同じ160℃設定でも他社より温度が若干低かったようで、火の通りが甘かったが、トーストはキツネ色に焼けており、満足度は高かった。
温度がシビアなスポンジケーキなどのお菓子を作る方はオーブン性能をチェック
実勢価格は5~6万円台のミドルクラスで、レシピ数はそれほど多いわけではないが、よく使いそうな機能に絞られていて日常使いでストレスなく使えるものばかりだ。奥行き40cmの棚に置くことができるサイズも魅力。フラッグシップモデルは専用のレンジラックなどが必要になるが、このサイズなら一般的なレンジラックでもOK。中は大きいお弁当を置いて加熱できる広さを確保しつつ、サイズが小さいので使い勝手がよい。
気になったのは、オーブン機能だ。温度管理が難しいスポンジケーキは、かなりバラつきがあった。お菓子などをよく作る方は、記事を参考にしていただきたい。