今回はフラッグシップモデルではなく、手軽に使えるミドルクラスのオーブンレンジ(26~27L)を比較した。現在はケトル、電気調理鍋、ミキサーなど、特化型の便利な家電が増えており、キッチン内の置き場所問題に悩む方が増えている。よりコンパクトなサイズのものが求められている中、オーブンレンジもサイズで選ぶ方も多い。ただ、使用頻度が高い家電なので、性能が気になるところだ。今回は操作のしやすさや、あたため、トーストといった、基本機能の評価を重視し、評価している。
テストした項目は「ごはんのあたため(10点)」「弁当あたため(10点満点)」「トースト(10点)」「スポンジケーキ(10点)」「独自機能(5点)」「操作性、お手入れ(5点)」の合計50点満点。「ごはんのあたため」は冷蔵庫で冷やしたごはん、「弁当あたため」は市販弁当、「トースト」は一般的な6枚切りのパン(超熟)を使用している。
日立グローバルライフソリューションズ「ヘルシーシェフ MRO-S7C」の特徴
セラミック製のテーブルプレートと専用のスチーム小皿を使用する日立独自の過熱水蒸気方式を採用。使い方はスチーム小皿に水を入れるだけ。過熱水蒸気とオーブンを使い、油を使わずカラッとフライや唐揚げ、とんかつなどが調理できる。油の処理をする必要がなく、手軽に使えて片付けも簡単にできる。また、過熱水蒸気を使った揚げ物あたためも得意だ。中まであたため、カラッと仕上がる。
レンジとオーブンを使った加熱方法で、市販のピザやたこ焼きなど、冷凍食品もパリッと調理できる。家庭で冷凍した食品も調理できる。レンジにもオーブンにも使えるテーブルプレートで手軽に調理できる。
また、ボウルひとつで簡単に料理ができる簡単オート調理も搭載している。ボウルを使用し、メインから副菜まで、カレーや煮物などのさまざまな料理をサッと作ることも可能だ。
Point ①「ごはんのあたため」
150gのごはんは48秒で加熱が完了し、今回試した中でスピードは一番早かった。中心温度も70.2℃で、熱すぎずちょうどよい。ただ、操作が独特で、あたためボタンを押してから△ボタンを押し、さらに「2 ごはん」を押してからスタートボタンを押す。
Point ②「弁当のあたため」
弁当のあたためは、弁当のラベル通りに500Wで1分半加熱。全体にムラは少ないものの、右側のごはんの真ん中あたりは少し温度が低め。加熱が難しいハンバーグの中心温度は36℃。
Point ③「トースト」
2枚の食パン(パスコの超熟)を加熱した。トーストモードで加熱したところ、8分42秒でスピードは早い。表面は焼き色がついており、裏面は少々焼き色が薄い。食感は香ばしく、加熱時間が短いため、パサパサにはならずに美味しい。
Point ④「スポンジケーキ」
スポンジケーキミックスに卵と牛乳、サラダ油を使うスポンジケーキの素を使い、予熱ありの160℃設定(オーブン)で35分焼いた。真ん中が高く膨らみ、表面が少し焦げてしまった。設定よりも温度が高めだったと思われる。
Point ⑤「独自機能」
スチーム小皿を使い、レシピにあった「鶏のから揚げ」を調理した。別途角皿を出さずに、そのままテーブルプレートを使えるのでとてもラクだった。表面はこんがりとしており、中はジューシーで、家族にも好評だった。ただ、テーブルプレートが平らなため、鶏から出た脂が裏側に付着してしまうことが気になった。
Point ⑥「操作性、お手入れ」
今回、唯一ダイヤルがないオーブンレンジだった。ボタンが多いので、好みが分かれるかもしれない。オーブン調理は底のテーブルプレートをそのまま使えるのが便利だった。また、底が汚れてもテーブルプレートは外せるので、お手入れもラクだ。
「外して丸洗いテーブルプレート」が実用的!
あたためもスピーディで優秀
優秀だったのは、電子レンジのあたため機能だ。ごはんのあたためは他社よりも圧倒的に早く、1分を切る。待ち時間が短くすむので、早く調理をしたいという方におすすめだ。
また、庫内の底には「外して丸洗いテーブルプレート」も実用性が高い。ふだんは底に置いたまま電子レンジなどで加熱でき、外してオーブンなどにも利用できるため、角皿が必要ない。別に角皿を収納しておいたり、使用するときに出してセットしたり、そういった手間がないのはとてもラクだった。外してお手入れができるのも便利だ。
同モデルでは、セラミック製の「外して丸洗いテーブルプレート」と専用のスチーム小皿を使う日立独自の過熱水蒸気方式を採用している。テーブルプレートの上にスチーム小皿を置いて使用する。から揚げは表面がカリッとしていて、中はパサつくこともなくジューシー。油っぽい揚げ物が苦手な家族にも好評だった。ただ、やはりテーブルプレートが平らで溝がないので、鶏の脂が裏側についてしまうのは少々残念な結果となった。
スポンジケーキはオーブン機能を使用したが、設定よりも温度が高めになっていたせいか、中央がふくらんで表面が焦げてしまった。ケーキなどは温度が大事になるので、最初のうちは温度を見つつ、調整したほうがよさそうだ。
SPEC
総庫内容量:27L
外形寸法:幅483×奥行388×高さ355mm
質量(約):約14.8kg
消費電力:1450W(電子レンジ)1340W(オーブン・グリル)
実勢価格:5万3280円
製品貸与:日立グローバルライフソリューションズ
author: 石井和美