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平成女子と振り返る30秒の音楽体験

ねぇあの頃、着うたってどうしてた?

author: Beyond magazine 編集部date: 2024/08/31

好きな曲を携帯電話の着信音として設定できる「着うた」。連絡先ごとに曲を変えたり、ダウンロードサイトで曲を選んだり、平成中期〜後期に青春時代を過ごした人にとって、馴染みの深いサービスだろう。

「私も中高生のとき、着うたを設定していました」と語るのは、モデルのMISAKAOさん。当時よく聴いていたアーティストや独自の着うたルールなど、“あの頃”の音楽体験について振り返ってもらった。

MISAKO

モデル。1995年生まれ。STANFORD所属。日本とフィリピンのハーフ。元アパレル店員という経歴を活かしたファッションセンスには定評があり、独自の世界観やライフスタイルを発信しているInstagram/TikTokは主に女性を中心に人気あり。趣味は赤提灯居酒屋ひとり飲み、レトロ喫茶巡り。 


Instagram:@__168__
TikTok:@__okasim__

自分のために、アニソンやバンドの曲を着うたにしていた

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──MISAKOさんが着うたを設定していたのはいつ頃ですか?

中3のときに携帯電話を持ちはじめてから、ずっと設定していましたね。高1~高2は、自分の中で着うたがピークに盛り上がっていました。

2つ上に音楽好きのお兄ちゃんがいるんですよ。そんな兄の影響で、学生の頃からめちゃくちゃアニソンが好きで。よく見ていた『けいおん!』『鋼の錬金術師』『BLEACH』の主題歌を着うたに設定していました。あとはボーカロイドもよく聴いていたので、初音ミクちゃんとか。これも兄の影響ですが、マキシマム ザ ホルモンなどのバンド系も好きでしたね。SCANDALとかステレオポニーとか、ガールズバンドにハマることも多かったです。

周りのみんなが知っているような、オリコンランキング上位のJ-POPとはちょっと違う路線の曲を着うたに設定していました。

──だとすると、同級生とは噛み合わなさそうですね。

めっちゃズレがありました! 私が好きな音楽の話をしても「え、知らない。なにそれ?」みたいな感じで終わっちゃうので、そもそも音楽に関する話はできなかったです。だからずっと聞き手に回っていました。

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──着うたって持ち主の個性を出せたじゃないですか。アニソンやバンドの曲は珍しいから、周りから注目されたのでは?

2010年頃って、アニメが今みたいに誰もが認めるカルチャーって感じではなかったんですよね。人気作品はそれなりにあったけど、友達は『ONE PIECE』以外はよくわからないといった感じでした。

だから着うたもあまり人前では鳴らさないようにしていましたね。アニメの曲ってオタクっぽく思われちゃうかなって。着信がなくても、着うたを再生して聴いていることも多かったです。

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──音楽プレイヤーのような使い方ですね。

基本的にはiPod nanoで音楽を聴いていたんです。でも着うたのいいところって、「30秒のサビの部分だけ」という聴き方ができるところ。サビだけ気持ちよく歌いたいときってあるじゃないですか。そういうときは、あえて着うたを聴いていました。そういえば購入前の「試し聴き」もよくしていましたね。誰のためでもなく、自分が心地よくなるために着うたを設定していた気がします。

着うたの定番は誰もが知る恋愛ソング

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──着うたって、連絡先やメールのフォルダごとに設定できましたよね。MISAKOさんはどのような設定の仕方をしていましたか?

そもそも友達が少なかったので、メールのフォルダ分けとか一切してなかったんですよ。電話することが多かった親の着信音を、1番好きな曲にしていましたね。そんな感じで、やり取りする回数が多い相手順に、2番手、3番手、4番手の好きな曲を設定していました。相手のイメージに合わせて曲を変えるのではなく、聴きたい曲をかかってくる頻度順に設定するんです。だから自分の元気が出るような、はっちゃけた曲を選ぶことが多かったですね。頻繁に曲は変えていましたけど、放課後ティータイムの「ふわふわ時間」を親の着信音にしていたことは今でも覚えています。

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でも、周りの友達とかは連絡先やフォルダごとに着うたを変えていた気がしますね。たとえば彼氏の着信音には、当時流行っていたAK-69や西野カナの曲を設定したり。やっぱり恋愛ソングが多かったですね。私もうっすらとした記憶なんですけど、miwaの「片想い」を一瞬だけ好きな人に設定していたことがあるような……(笑)。

──レコチョクの着うたランキングを調べたんですけど、上位は恋愛ソングばかりでした。相手からの電話を待つ切ない時間に、恋愛ソングがフィットしたのかもしれませんね。

そうかもしれないですね。それにどの曲もカラオケに行けば誰かが歌っていましたね。「キセキ」は中学校のお別れ会でも歌ったし、EXILEは高校の体育のダンスの授業で踊ったし。ランキングの曲をぜんぶ知っているって今思うとすごいです。

あの頃って、まだネットよりもテレビの時代だった気がします。『ミュージックステーション』や『COUNT DOWN TV』はみんな観ていたし、オリコンランキングもやっていて、テレビで曲を覚えていたような。番組によってはオリコンとは別に、着うた人気ランキングのコーナーとかもありましたよね。

──でもそのあたりのメジャーな曲は、着うたに設定してなかったんですよね。

はい、してないです(笑)。でもテレビは観ていたので、どの曲も2番の歌詞とかはわからないけど、カラオケでなんとなく歌えちゃうレベルで知ってはいました。

着うたがない日常が当たり前になっていった

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──着うたとのお別れは、スマートフォンを手にしてからですか?

そうですね、高3でiPhoneデビューをしてからです。当時は周りがどんどんスマホに変えだした時期で、ガラケーを持っていること自体が恥ずかしかったんです。クラスLINEとか、ガラケーだとページ更新しないと見れないんですよ。だからiPhoneを手にしたときは嬉しかったですね。見たことのない神秘的な道具に感じました(笑)。

それからメールも通話もすべてLINEに変わって、着うたから遠ざかりましたね。最近だとたまにLINEのプロフィールに曲を設定している人を見かけますけど、私はそういったのも設定していなくて。それに仕事をするようになると、マナーモードにする機会の方が多いじゃないですか。だから今は基本的に「無音」です。

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──スマートフォンに変えたあと、着うたがない日常にはすぐに慣れましたか?

そもそも何も気にならなかったです。2013年頃は、CDよりもYouTubeやアプリで音楽を聴くのが主流になりつつありましたよね。だからiPod nanoもだんだん使わなくなって、音楽を聴くのはiPhoneに一本化されました。

ガラケーのときは兄から音楽を教えてもらうことで、アニソンやバンドの曲と出会っていたんです。でもiPhoneになってからは、ほかのジャンルを知る機会も増えました。たとえばお店で流れる曲をShazamで検索したり、最近だとYouTubeのレコメンド機能でおすすめされたりとか。気軽に音楽を聴けるようになったぶん、寂しさみたいなものを感じなかったのかもしれません。

──実は今もiTunsesなどで着うたがダウンロードできるって知っていましたか?

なにそれ、知らなかったです! 興味があるので設定してみてもいいですか?

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iTunesなどで着うたをダウンロードできるって知ってた?


iPhoneならiTunes、Andoroidならレコチョクなどのサービスを利用すれば、今でも着うたをダウンロードすることができます。今回は、MISAKOさんがiPhoneということで、iTunesで着うたをダウンロードしてみました!

<iTuneseから着うたをダウンロードする方法>

① 「iTunes Store」を開いて「着信音」をタップor「検索」 → アーティスト名や曲名を入れて検索 → 「さらに見る」 → 「着信音」をタップ

② ダウンロードしたい曲の金額部分をタップ

③ 曲の設定先をタップ → 決済後、ダウンロード開始

④ ダウンロードされた曲は「設定」 → 「サウンドと触覚」→「着信音」から変更可能に!

MISAKOさんが着うたに選んだのは、livetune feat. 初音ミクの「Magnetic」


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学生の頃、初音ミクちゃんにハマっていたこともあって、ついボカロっぽい曲が聴きたくなっちゃうんですよね。私にとって、精神安定剤みたいな存在です。

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──では、かけてみますね。

わっ鳴りました! すごく懐かしい。そういえば、好きだけど着信音には向かない曲があったなとか、着うたを吟味して設定していたこととか、いろいろと思い出しました。やっぱりボーカロイドは着信音にマッチしますね。

──平成では多くの人がメジャーな曲を設定していましたが、趣味趣向が多様化する今だとそれぞれが好きな曲を設定しそうですね。

そうですね。それこそ今のほうがよっぽど着うたのセレクトに個性が出て面白そう! 私は自分が好きな曲を設定するタイプだったから、昔と比べて大きく変わることもなさそうですが(笑)。

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そもそも私にとって音楽って、気分を上げるためにもニュートラルになるためにも、なくてはならない存在なんです。学生の頃はバスケ部に入っていたので、自分を鼓舞したりリラックスするために音楽を聴いていたし、今は家にいるときも移動中も常に聴いています。フェスやライブに行ったりするのも好きですね。

それなのに、着うたの存在だけがすっかり消えてしまっているなんて、よく考えると悲しいですよね。日常の中で好きな曲が突然鳴るってあらためていいなと思いましたし、この機会にスマホで着うた生活、続けてみようかな。

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Beyond magazine 編集部

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