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石井和美の家電やりすぎ比較レビュー<冷蔵庫>

【第4位】三菱電機「MR-MZ60K」

author: 石井和美date: 2024/07/21

まとめ買い需要で大型冷蔵庫が売れている。さらに食材を冷蔵・冷凍保存するだけではなく、最近注目されているのは食材の鮮度保持能力だ。たくさん購入した食材は、なるべく状態のよいまま保存したい。そんなニーズにメーカーも応えている。

また、大容量のメリットを活かしつつ、食材が整理しやすいタイプも改めて見直されている。最近では奥行きが狭くなり、背が低い人でも取り出しやすい冷蔵庫が増加。特に冷蔵室にある一番上段の棚は、奥側まで手が届かず、フードロスになることがある。少し容量が減っても、食材の消費期限を見ながら、きちんと整理できるので、ムダを防げるというわけだ。

今回は代表的な6社の冷蔵庫を比較。冷蔵室、野菜室、冷凍室の鮮度保持、使いやすさなどを比較して、総合的に優秀な一台を決めた。特徴をぜひ参考にしていただきたい。

テストした項目は「冷蔵室の鮮度保持(10点満点)」「野菜室の鮮度保持(10点満点)」「冷凍室の鮮度保持(10点)」「使いやすさ(10点)」「お手入れのしやすさ(5点)」「オリジナル機能(5点)」の6項目合計50点となる。

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三菱電機「MR-MZ60K」の特徴

中が広々した、たっぷり入る冷蔵庫。従来より狭いスペースへ均一にウレタンを充てんする独自の技術「薄型断熱構造SMART CUBE」を採用し、高い断熱性能を保ちながら扉や外壁などの薄型化を実現。容量アップと高い省エネ性能を両立している。

好評の、冷凍なのにサクッと切れる約-7℃で凍らせられる「切れちゃう瞬冷凍A.I」も引き続き搭載。生野菜なども冷凍しておける。

また、新たに、思うままフリーケース(大)(小)・思うままストッパーが付属。専用のケースだから、庫内にフィット。思うままフリーケースは調味料や保冷剤などの整理にぴったりで、思うままストッパーはドアポケットやフリーケースを自由に仕切り、収納を安定させることができる。

給水タンクを冷蔵室の床に埋め込んでいる「洗える埋めっちゃタンク」も、冷蔵室を広々と使えるので評価されている。

Point ①「冷蔵室の鮮度保持」

ラップなしで1日経過したサラダ

ラップなしで1日経過したハム

チルドルームでラップなしで5日経過したアジ

サラダは表面が乾燥しており、チリチリした状態に。特にハムはクルクルッと端のほうが巻かれた状態になった。ラップなしで保存したアジも、身が縮んで波打っている。ただ、同社は庫内に水滴がつきにくく、サラッとした状態で清潔に使える。

Point ②「野菜室の鮮度保持」

ラップなしで1週間経過したパプリカと椎茸

ラップなしで1週間経過した小松菜

以前のモデルよりもパプリカ断面は水分を保っている。椎茸については乾燥している。小松菜については少ししんなりしており、コップに立ててみると葉の部分が下に下がるような状態になった。

Point ③「冷凍室の鮮度保持」

ラップして1ヶ月間冷凍

冷蔵室で1日かけて解凍

解凍後のドリップ

いったん「切れちゃう瞬冷凍A.I」で冷凍してから、冷凍室へ移動して1ヶ月保存。冷凍した状態では少し乾燥しているかと思われたが、解凍後はドリップがほぼ出ていない。ここまでお皿がキレイだったのは同社だけだった。

Point ④「使いやすさ」

一番気に入っている「埋めちゃっタンク」は他社にはない機能で、チルドルームを広々使えてとても便利だった。タンク自体も取り外しがしやすい。右側の扉にある2段目のスペースに卵ケースを入れられるようになったが、2Lのペットボトルを奥側に置けなくなってしまったのは残念。なお、卵ケースを外せば入れることはできる。

Point ⑤「お手入れのしやすさ」

野菜室、冷凍室は他社とは異なり、手の平を上にして指をひっかけて引くタイプ。そのため、溝がなく、つるんとしていてふきやすい。また、製氷についてもすべての部品を洗うことができて衛生的。給水パイプ、製氷皿まで外して洗えるのは同社だけ。

Point ⑥「オリジナル機能」

根強い人気がある「切れちゃう瞬冷凍A.I」がやはり便利。カチカチになるまで凍らせず、ほどよく包丁が入る程度まで凍らせられるので、必要な分だけカットして使える。解凍という時間の手間を大幅に削減できるので、時短にもつながる。

カラッとした冷蔵室は水滴がつきにくく、衛生的に使える

三菱電機の冷蔵庫は、毎回冷蔵室や野菜室がカラッとしているため、乾燥しやすい。結果からすると鮮度保持については少し低い点数になるところもあったが、これはラップなしで保存した参考結果であり、ラップや容器などに入れてきちんとして保存する方であれば、特に問題ないと言える。多湿タイプの冷蔵庫では、棚や瓶などに水滴がついてしまうこともあるが、三菱電機はそのようなことがほぼない。衛生面を重視するなら、三菱電機の冷蔵庫がおすすめだ。なお、今回「冷凍の鮮度保持」の項目ではドリップが出ておらず、唯一の満点だった。

「切れちゃう瞬冷凍A.I」や「埋めちゃっタンク」など、独自の使いやすい機能も豊富だ。ドアの面に操作パネルがあり、開けずに操作できるのも嬉しい。

ただ、気になるところも。スマートフォンと連携してアプリを使えるようになったが、接続が複雑でわかりにくかった。今回は6社中、5社がスマートフォンと連携するようになったが、一番操作で苦戦したのが同社だ。最初にPDFをダウンロードして取扱説明書をスマートフォンで確認する必要があったり、説明や注意書きが多かったり、家電のアプリ接続に慣れている筆者でもわかりにくく、ちょっと時間がかかってしまった。

また、右側の扉は棚が4段になったが、下から2段目の卵ケースができたことで、1段目の奥側に2Lペットボトルを置けなくなってしまった。無理に入れようとすれば入れられるが、ひっかかって傾いてしまい、1段目の手前に飲み物を入れにくくなる。卵ケースは外せば問題なく2Lのペットボトルを入れることはできるが、こういった使い勝手で少し点数を落としてしまった。

SPEC
定格内容積:602L
本体サイズ:幅685×奥行738×高さ1833mm
質量(約):約124kg
年間消費電力量:286 kWh/年
実勢価格:41万円

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家電プロレビュアー
石井和美

家電をレビューするため「家電ラボ」を開設、小物家電から冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っている。製品レビューや家電についての解説はWEB、雑誌、ラジオ、テレビなどで発信している。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタント。
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