まとめ買い需要で大型冷蔵庫が売れている。さらに食材を冷蔵・冷凍保存するだけではなく、最近注目されているのは食材の鮮度保持能力だ。たくさん購入した食材は、なるべく状態のよいまま保存したい。そんなニーズにメーカーも応えている。
また、大容量のメリットを活かしつつ、食材が整理しやすいタイプも改めて見直されている。最近では奥行きが狭くなり、背が低い人でも取り出しやすい冷蔵庫が増加。特に冷蔵室にある一番上段の棚は、奥側まで手が届かず、フードロスになることがある。少し容量が減っても、食材の消費期限を見ながら、きちんと整理できるので、ムダを防げるというわけだ。
今回は代表的な6社の冷蔵庫を比較。冷蔵室、野菜室、冷凍室の鮮度保持、使いやすさなどを比較して、総合的に優秀な一台を決めた。特徴をぜひ参考にしていただきたい。
テストした項目は「冷蔵室の鮮度保持(10点満点)」「野菜室の鮮度保持(10点満点)」「冷凍室の鮮度保持(10点)」「使いやすさ(10点)」「お手入れのしやすさ(5点)」「オリジナル機能(5点)」の6項目合計50点となる。
日立グローバルライフソリューションズ「R-HXCC54V」の特徴
冷蔵室の全段(ドアポケットは除く)が「まるごとチルド」だからまとめ買いしても置き場所に悩まない。約2℃の低温で食品の菌の繁殖を抑えて鮮度長持ち。また、うるおい冷気でラップなしでも乾燥や変色を抑えておいしく保存できる。
冷凍室下段は、3段ケースを採用しており、食品の大きさに合わせて整理しながら収納できる。1段目の薄物ケースは、アルミトレイに置くだけですばやく冷凍する「デリシャス冷凍」で、ホームフリージングに最適。2段目の小物ケースにはよく使う冷凍食品や作り置きおかずなどをストック。3段目の大物ケースにはまとめ買いした冷凍食品や大きな食材もたっぷり収納できる。
冷蔵庫の上部にはカメラ搭載。冷蔵室ドアを開けると、カメラが庫内を自動で撮影(※2)。スマホで確認でき、買い忘れや二重購入を減らして、毎日の食材管理が手軽にできます。
Point ①「冷蔵室の鮮度保持」
ラップなしで1日経過したサラダ
ラップなしで1日経過したハム
チルドルームでラップなしで5日経過したアジ
ハムとサラダはラップなしで24時間経過しても、ほぼ乾燥がない。今回試した中では唯一の満点だった。
また、5日経過したアジも、他社は乾燥していたが、唯一しっとりした状態を維持していた。身の縮みもない。
Point ②「野菜室の鮮度保持」
ラップなしで1週間経過したパプリカと椎茸
ラップなしで1週間経過した小松菜
上段に入れておいたパプリカの断面は少し乾燥して、縮んでいるような状態に。椎茸は乾燥して小さくなっている。小松菜は茎の部分はハリがあるものの、葉の部分は少ししんなりとしていた。
Point ③「冷凍室の鮮度保持」
ラップして1ヶ月間冷凍
冷蔵室で1日かけて解凍
解凍後のドリップ
表面には均等に霜付きが見られるものの、全体的には変色等はなく、乾燥はしていない。解凍後には、ドリップが少々みられるが、それほど量が多いわけではない。
Point ④「使いやすさ」
冷凍室が3段で使いやすい。1段目は大きなアルミトレイで急速冷凍できる。ごはんの冷凍や、作り置きなどを一度にたくさん冷凍できるので便利だ。
Point ⑤「お手入れのしやすさ」
表面はガラストップで指紋などはつきやすいが、つるんとしているので汚れても落としやすい。引き出しの溝もカーブがあるので、スッと拭き取ることができた。
Point ⑥「オリジナル機能」
カメラを搭載。冷蔵室のドアを開けると、冷蔵室内を自動で撮影するので、スマホで出先からも確認できる。買い忘れや二重購入、買いすぎを減らして、毎日の食材管理が手軽にできる。ただ、アプリで画像を見ると棚の奥側は見にくいので、もう少し全体が映るようにしてほしい。
冷蔵室の鮮度保持は満点の評価!
カメラなど独自機能も豊富
冷蔵室の鮮度保持は優秀で、今回試した中でトップの評価となった。ハムやサラダは全く変わっておらず、フチや表の部分も潤ったままだった。またチルドルームに保存したアジも、唯一表面がしっとりしていた。身も縮んでおらず、美味しく食べることができた。
さらに、週末にまとめて料理を作ったり、日頃からまとめてごはんを炊いたり、一度に冷凍保存したい方は、同モデルをチェックしてほしい。冷凍室は3段ケース。1段目の薄物ケースは、アルミトレイに置くだけですばやく冷凍する「デリシャス冷凍」となっており、そのスペースが広い。たくさんの食材を一度に冷凍できるので、とても便利だった。
使い勝手では気になるところも。チルドルームのフタは手前に倒れるが、出し入れするときに引っかかることがあった。できれば上に開いてフタが邪魔にならないようにしてほしい。
オリジナル機能の冷蔵庫カメラは中身を外出先でも確認できるので便利だ。自宅にいるときも、スマートフォンをさわっているときにアプリを起動してサッと確認すれば、扉をあけなくてすむことも。うまく活用できれば、省エネも期待できる。ただ、現状では冷蔵室全体が映るわけではなく、主に冷蔵室の手前の部分で、奥側にあるものは確認しにくい。もう少し見やすくなることを期待したい。
SPEC
定格内容積:540L
本体サイズ:幅650×奥行699×高さ1875mm
質量(約):約115kg
年間消費電力量:263 kWh/年
実勢価格:40万2600円