最高に美味しいごはんを味わえる、各メーカーの最高級炊飯器を試した。フラッグシップモデルとなると、どれを購入してもハズレはなく、お米のポテンシャルを最大限に引き上げてくれる。ただ、それぞれ特徴が異なるので、好みに合ったものを選んでほしい。
今回は代表的な6社の最高級炊飯器を比較。炊きたてのごはんやおにぎり、冷凍ごはんなどを試した。また、毎日使うものなので操作性やお手入れなども評価している。食感などは好みが分かれるところなので、特徴をぜひ参考にしていただきたい。
テストした項目は
「炊きたて(10点満点)」
「冷凍ごはん(10点満点)」
「おにぎり(10点)」
「操作性(10点)」
「お手入れ(5点)」
「独自機能(5点)」の合計50点満点。
お米は福島産の新米コシヒカリを使用。一度に炊いたごはんはすべて3合。
東芝ライフスタイル
「炎匠炊き RC-10ZWV」の特徴
新製品では、従来機種に搭載している大火力と多段階火力調節、内回り外回りの熱対流を交互に切り替える独自の加熱方式で、粒立ちのよいふっくらとしたごはんに炊き上げる。真空技術を活用し、お好みの炊飯コースに10分~120分まで6通りの真空状態のひたしを追加設定できる「ひたしプラス」機能を新搭載している。常圧でひたした場合と「ひたしプラス」でひたした場合を比較すると、同じひたし時間でも「ひたしプラス」はひたし後の吸水率比が6%アップ、炊き上がり後の甘みは14%アップし、よりふっくらとした甘みのあるごはんに炊き上がる。
また、まとめて炊いたごはんや余ったごはんの冷凍保存に適した「冷凍ごはんコース」も新たに追加された。炊飯開始後のひたしから蒸らしまでの工程で加熱を調節し、保水性を高め、お米の芯までα化させることで、あたため直しても炊き立てに近いごはんに仕上がるよう調整される。
Point ①「炊きたて」
銘柄は「コシヒカリ」に設定、炊飯した。炊飯時間は約43分と短い。みずみずしく、やわらかめ。照りがよく、甘い。もう少しごはんにメリハリがほしいところ。なお、銘柄おまかせでは38分と表示された。短時間で炊き上げてくれるのは嬉しい。
Point ②「おにぎり」
炊きたてよりも感動したのが冷めたごはん。ふわっとしたみずみずしさがあり、粒立ちもよい。市販の美味しいおにぎりのようで、おにぎりもパサつきがなく、潰れた感じもなかった。
Point ③「冷凍ごはん」
白米冷凍用モードで炊飯。炊飯時間は60分。つややかではあるが、他社と比較すると少し水っぽく感じる。もう少ししっかりとした食感が欲しいが、甘みは強く感じる。
Point ④「操作性」
操作部はカラー液晶がとても見やすい。天面が手前に向かって傾斜しているので、前から見やすい。他社のように操作ボタンが液晶パネルのまわりになく、デザインがスッキリしている。
Point ⑤「お手入れ」
内釜の実測値は948gと今回試した中では比較的軽量だった。内蓋は凹凸が少なく、洗いやすい。蒸気口を外して洗えるのは衛生的だが、他社よりも洗う部品は多いので気になる方もいるかもしれない。
Point ⑥「独自機能」
液晶タッチパネルで、見やすい。特に薄暗い場所でもはっきり見えるので、棚の中段などに入れても操作しやすい。ただ、タッチ操作する項目が一部小さいところがあり、物理ボタンよりも押しにくいと感じることも。
みずみずしく、やさしい味わい
液晶タッチパネルでわかりやすい操作性
地域に合わせて水の硬度を選択できる。我が家は茨城県なので、取扱説明書を見ながら水道の水硬度選択60~80mg/Lに設定してから炊飯を行った。炊き上がりは優しい味わい。モチモチ感や粘りは抑えめで、おかずによく合う。さわやかな食感を楽しむことができた。
特に美味しいと感じたのは冷めたごはんだ。おにぎりにしたところ、甘さとモチモチした食感、みずみずしさのバランスがよく、塩むすびにしてもいくらでも食べられそうだった。よくお弁当などを作る方にもおすすめしたい。
カラータッチ液晶は文字がくっきり見えるので視認性がよかった。薄暗い場所に置くと、他社製では表示部が見えにくいこともあったが、同モデルはとても見やすかった。天面が傾斜しており、手前が低くなっているので、少し高い棚に置いても見やすい。
お手入れは内ふたがほぼ平らで洗いやすい。蒸気口の部分は内側から引っ張れば簡単に外せる。サッと洗っておけばいつでも清潔な状態を維持できるが、トレンドとして洗う部品を減らすものが増えている中、部品点数が少々面倒と思う方もいるかもしれない。
SPEC
本体サイズ:253(幅)×328(奥行)×246(高さ)mm ※フタを閉じた状態
質量(約):約6.3kg
消費電力:1420W
実勢価格:11万円
製品貸与:東芝ライフスタイル