オーブンレンジのフラッグシップモデルは、高機能かつ高性能だ。できる調理方法は幅広く、レシピも多いが、使ってみると最新のモデルはどれも操作が簡単になっている。センサーとソフトが進化しており、中の状況を自動的に判断してちょうどいい仕上がりにしてくれる。ユーザーは、少ない操作でレパートリーを増やせるので、単に加熱するだけではなく、「調理家電」として役立つだろう。
今回、項目別の1位は見事に分かれた。東芝ライフスタイル「石窯ドーム ER-YD7000」はオーブン加熱が1位、シャープ「ヘルシオ AX-LSX3A」は2品同時あたためが1位、パナソニック「ビストロ NE-UBS10A」は全解凍が1位、日立グローバルライフソリューションズ「ヘルシーシェフ MRO-W10B」は操作性が1位という結果となった。詳しくは個別ページをご覧いただきたい。何を重視するかで、選び方も変わる。今回の比較レビューをぜひ購入の際の参考にしてほしい。
1位 東芝ライフスタイル「石窯ドーム ER-YD7000」
1位となったのは「石窯ドーム ER-YD7000」で、特に評価が高かったのはオーブンで焼いたクロワッサンだ。中までサックリとしており、外側もこんがり。焼きムラも少なく、冷めてもベタつくことはなく美味しく食べられた。また、解凍も時間が少々かかるものの隅々まで解凍されており、すぐに調理に使える。また、2品同時あたためもごはんとおかず両方がアツアツに加熱されており、冷たい部分がなかった。
また、本体が全体的にコンパクトなところも特筆すべきところ。フラッグシップモデルは大きいサイズのものが多いが、本製品は奥行きが特に小さく、棚に置きやすい。今回試した中で、すべての項目において得点が高い結果となった。
2位 シャープ「ヘルシオ AX-LSX3A」
シャープのオーブンレンジは2品同時あたためが見事だった。ごはんもおかずも隅々まであたためられており、加熱しすぎて食品がかたくなるようなこともなかった。ほどよくあたためてくれるので、美味しく食べることができた。残念だったのは、解凍だ。「全解凍」で設定したのにもかかわらず、解凍の状態は半解凍だった。クロワッサンについては中心部が少しやわらかく、もう少し中まで火を通し、サックリとした仕上がりになれば完璧だった。
独自機能の「焼きたてふっくら」機能を使って、買ってきた調理済みの焼き鳥の温め直しをしてみたところ、焼きたてのような食感になった。少々時間はかかるものの、惣菜の温め直しも得意で、「あたため」全般で高得点だった。
第3位:パナソニック「ビストロ NE-UBS10A」
2位と僅差で3位となった同モデル。抜群だったのは「全解凍」で、短時間でムラなく隅々まで解凍できており、解凍のテスト項目では唯一の満点の評価となった。ただ、オーブン機能は焼きムラがあり、ところどころ少し焦げてしまったのは残念だった。
付属品の「グリル皿」は、日々の料理で活用できそうだ。今回は冷凍餃子の調理で使ったが、他にも簡単にさまざまなおかずなどの調理ができる。グリル皿を使ってパッと調理できるレシピが色々あるので、試したくなった。
特に同モデルで感心したのは、取扱説明書などは見やすさ。操作性もよく、初心者も迷いにくい。オーブンレンジは高機能だと使い方がわかりにくい場合もあるが、パナソニックらしい使いやすさが光るオーブンレンジだった。
第4位:日立グローバルライフソリューションズ「ヘルシーシェフ MRO-W10B」
同モデルは、操作性の項目で満点だった。他のどのオーブンレンジよりも操作数が少なく、「人数」「グラム数」などの設定がほとんどない。「簡単にできる」という点では優秀だ。また、操作パネルも見やすく、メニューもシンプルでわかりやすい。トップ画面は「かんたんレンジ」で、数字が大きく、迷わずにすぐ設定できるのも便利だ。
ただ、あたため・全解凍・オーブン調理は全体的に火力が弱い結果となった。特に気になったのは2品同時あたためで、右側のおかず(ハンバーグ)が冷たいところがあった。試用した製品に不具合があったのかもしれないが、試した結果は全体的にムラもあったので、改善して欲しいところだ。
――― 以上のように、今回の比較レビューでは、東芝ライフスタイルの「石窯ドーム ER-YD7000」が今回トップとなった。特にオーブン加熱(クロワッサン)が優秀だったが、その他の項目でも全て高得点という結果だった。本体サイズが小さめという点も含め、今回最もおすすめしたい製品となった。
製品貸与:東芝ライフスタイル、シャープ、パナソニック、日立グローバルライフソリューションズ