食材を入れておけば、ボタンを押すだけで調理できる「電気調理鍋」。つきっきりになることもなく、火加減を調整して手の込んだ料理が作れるので人気だ。今回は人気の電気調理鍋5モデルをプロ家電レビュアーの石井和美が徹底比較。5モデルのうち、パナソニック、ティファール、シロカの3モデルは圧力をかける電気圧力鍋タイプ、シャープとアイリスオーヤマは圧力をかけない電気調理鍋タイプだ。それぞれ作る料理によって得意不得意も異なる。
比較したのは「豚の角煮」「かぼちゃの煮物」「カレー」で、あとは本体の「操作性」「独自機能」「お手入れのしやすさ」の合計6項目で評価している。調理についてはすべて4人分、一部をのぞいて付属のレシピ通りに行い、やわらかさや煮崩れの有無、味のしみこみなどをチェックした。日常的に使うことを考え、使いやすさも評価している。
ティファール
「クックフォーミー 6L」の特徴
多彩なレシピを内蔵しており、画面から作りたいレシピと人数を選ぶと、食材・分量から調理手順まで全て表示される。火加減も自動で調整されるので、画面を見て順番通りに作っていくだけで、初心者でも簡単に作ることができる。「圧力調理」はもちろん、「炒める」「煮込む」「蒸す」「炊飯」など、7種類の調理方法に対応している。
Point ①「豚の角煮」
他社と比較すると肉は比較的小さめにカット。そのぶん、短時間で仕上がる。時短を優先している方には、短時間で仕上げてくれるので助かるだろう。短時間といっても赤身までやわらかく、味がしみ込んでいる。プリッとした食感を楽しむことができた。味は少し薄かったので、追加で煮詰めるとさらに美味しい。
Point ②「かぼちゃの煮物」
水っぽさはなく、ほくほくとした仕上がり。箸でもつかんでも崩れ落ちることがなかった。レシピは他社と比較すると加圧時間が短めで、野菜類を加圧するレシピでも、加圧調理でありがちな煮崩れることはほとんどなかった。ただ、味のしみ込みに関してはもう少しほしい。急いでいないのであれば、少し置いておくとよりしっかり味がしみ込む。
準備時間は約15分、調理時間は約15分と調理時間は短い。じゃがいもは乱切りだったが、しっかりと残っており、煮崩れもなかった。豚バラ薄切り肉を使っていることもあるが、肉もやわらかく食べやすい。にんじんもほどよい固さだった。
Point ④「操作性」
手順ごとに「材料を入れる」「ふたを閉める」といった作り方が操作パネルに表示されるので、料理初心者でも迷いにくい。アプリとも連動しているので、そちらからも作り方を確認できる。本も付属しており、レシピを好みの方法で見ることができるのは便利だ。
Point ⑤「独自機能」
材料から作り方まで、丁寧に操作パネルで手順を表示してくれるのは、今回試した中では同モデルだけ。迷わず使うことができ、レシピを見なくても操作パネルを見るだけで料理を作ることができる。
Point ⑥「お手入れのしやすさ」
内鍋にあるボールカバー、減圧ボールなどが少しかたいので、外しにくい。また、蒸気口キャップ、消音バルブなど、細かい部品が多いので、もう少し部品を減らしてほしいところ。料理ごとにお手入れが必要な水受けは簡単に外せた。
圧力鍋とは異なり、食材が溶けたり、煮崩れたりすることが少ない
画面からレシピを選ぶだけで、食材・分量、調理手順全てを教えてくれて火加減まで自動で調整してくれるので、初めてのレシピでも失敗が少ない。内蔵レシピが250種類もあり、和・洋・中・エスニックまでバラエティ豊富な点も魅力だ。
毎回、食事作りはメニューを決めることが面倒だったりするが、冷蔵庫にあるもので作れるレシピが豊富で、初心者でも日常的に失敗なく手作り料理が楽しめるだろう。今回試した中では一番親切な操作性だった。慣れてきたらマニュアル調理もできるので、自由度も高い。
基本的には「時短」を大事にしている印象で、他社と比較するとどれも調理時間は短めだ。そのため、カレーやかぼちゃの煮物も煮崩れは少ない。食感を楽しむことができ、溶けて形がなくなるということはほぼなかった。ただ、味のしみ込みについてはもう少し欲しいところ。慣れてきたらマニュアル調理で調整したい。
容量の選択肢が豊富であることも魅力だ。6L、3Lから選ぶことができ、世帯人数によって選択できる。マニュアル調理タイプであれば、マニュアル操作で調理ができる「ラクラ・クッカー」という選択肢もある。自分の料理スキルに合わせて選べる。
S P E C
消費電力:1200W
サイズ:幅×奥行×高さ:38.0×35.0×32.5cm
質量(約):6.5kg
容量:満水容量6.0L 調理容量4.0L
圧力対応:○
実勢価格:5万2000円(税込)
製品貸与:ティファール