MENU
search icon
media
Beyond magazineでは
ニュースレターを配信しています
  1. TOP/
  2. エンタメ/
  3. メタバース時代に備えた3DCG製作のススメ
エンタメ

こばかなの、無駄話から生まれる“感性”の法則

メタバース時代に備えた3DCG製作のススメ

author: こばかなdate: 2022/07/19

さまざまな事象を分かりやすい図解で表現し、Twitterやnoteでの発信で支持を集めるこばかなさん。多摩美術大学を卒業後、デザイナーとして歩み始めたのち、コーチング会社THE COACHの代表を務める。SNSなどで発信する内容は理路整然としているこばかなさんだが、普段どんなことを考えているのか。そして普段の発信から削ぎ落とされている“無駄”な部分にこそ、感性を刺激する大事なモノが宿っているはず!



外からの力が作用しなければ、物体は静止、または等速度運動を続けるという「慣性の法則」をなぞり、「こばかなの無駄話から生まれる“感性”の法則」と題した連載。こばかなさんと無駄話をして、日々の生活で静止しがちな思考を動かし始めよう。第8回目は、Blenderを使った3DCGモデル製作のお話し。

トップ画像・制作参考動画:Concept Shoe Modeling in Blender 2.92

気づいたら時間が溶ける3DCGづくり

最近、Blender(ブレンダー)というソフトウェアを使って、3DCGモデルを作るのにハマっています。Blenderは『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の製作でも使われるほど本格的なツールなんですが、誰でもダウンロードできて、様々なOSに対応、しかも無料で提供されているという画期的なもの。ググれば扱い方もたくさん出ているし、初心者でも始めやすいです。

3DCGモデルを作ってみようと思ったきっかけは、昨今話題のWeb3やNFTが気になったからです。ブロックチェーンによって実現できる、オープンでフラットな新しいWeb……というのがWeb3ですが、複雑な概念すぎてイマイチ掴みづらいと思っていました。そんな私がWeb3の世界に入っていく手段として、3DCGを自分で作ることから始めるのもいいなと気づいたんです。

例えば最近では、3DCGで作られたNFT(デジタルデータを代替不可能な資産にできる)のスニーカーが売買されるマーケットも登場しています。そして有名どころのNFTスニーカーブランドRTFKT(アーティファクト)がナイキに買収されたり、スニーカーのコレクションが約1700万円で取引されたりといった動きも起きている。一体どういうことなんだろうと好奇心をそそられて、自分でもその流れを体感したいなと思っていました。

ただ、そういう世の中の動向に追いつくためという文脈だけでなく、3DCGモデリングはシンプルに楽しい。気づいたら何時間も熱中して作業をしていた……なんてこともザラで、大きな魅力があるんです。

絵が上手く描けない人にこそオススメ

3DCGモデリングの作業をものすごく簡単に例えるなら、粘土工作です。Blenderでは、はじめに立方体を置き、それを少しずついじって造形物を作っていくのですが、その過程が粘土をいじるのに似ているなと感じます。

そして実は3DCGモデリングって、2次元の絵を描くよりもはるかに製作のハードルが低いんです。ものづくりが苦手な人でもクオリティを高めやすいところが個人的なオススメポイントです。

2Dで違和感のない絵を描くことは案外難しいものだと思っていて。遠近感を表現するためのパースや、光の辻褄が合うように面の暗さを調整するライティングを理解していないと、そもそもリアルな2Dの絵を描くこともできません。

しかし3DCGだとパースは自動で作れますし、設計通りの自然なライティングも簡単。初心者でも自然な絵作りができるという意味では、絵心に自信がない人にも3DCGはオススメです。

SNS上に「#Blender初心者」というハッシュタグがあるんですが、見ていると「これで初心者?」と思うクオリティのものがたくさんあります。でも実際、私がBlenderを触り始めて2日目に作ったNintendo Switchの模型もけっこうリアルに作れて。チュートリアルの動画を見ながら作業したのですが、指示通りにやれば絶対できます。

それにNintendo Switchのような模型は絵で描いてもあまり面白くないものですが、3DCGで作るとなんか可愛いなって思えるのが不思議です。立体だからこそ湧いてくる愛着も3DCGモデリングの魅力ですね。

Blenderで作ったスニーカー

前述のRTFKT (アーティファクト)のように、3DCGで作られたスニーカーが人気を集めているのは、最近になって盛り上がりが期待されているメタバース(3次元の仮想空間)上で、自分専用のアイテムとして履けるからという理由もあったりします。現実でブランドの靴を買うように、メタバース上で3DCGの靴を当たり前に買う未来が来るかもしれません。

私がBlenderを始めた背景には、自分の作ったNFTアートをいつか売りたいなと思ったこともあります。それで自分でもスニーカーを3DCGで作ってみました。チュートリアルを見ながら作ったのですが、かかった時間は全部で20時間ほど。ただ、それでもこのチュートリアルは効率の良い手順を教えてくれるので、スニーカーを作ってみたい人にはオススメです。

メタバースが実現する未来

いつになるかは分かりませんが、この先メタバース時代が必ず来ると思っています。特に映画『レディ・プレイヤー1』を見てから、個人的にメタバースにはかなり夢を持っているんです。メタバース時代の臨場感を体験できるので、ぜひ観てほしいですね。メタバース業界が盛り上がるのはこれからですが、ミーハーな気持ちで未来を楽しみに待っています。

3DCGづくりを始めて、例えばイヤホンとかペンとか、身の回りにある物体を立体で観察するようになりました。あとは、街灯を見てエモいなとか、金属に当たる光が可愛いなとか思ったとき、どうすればその光の感じを作れるだろうかとライティング設定に思いを巡らせたりします。3次元の物体に対するクリエイティブな観察が捗って、日常が少し楽しくなった感覚がありますね。

3DCGモデリングは本当にびっくりするくらい簡単。チュートリアルを試すくらいであればPCのスペックも特に必要なく、今使っているものでできると思います。まずはBlenderを軽く触ってみることから、3DCG製作を試してみてください!

author's articles
author's articles

author
https://d3n24rcbvpcz6k.cloudfront.net/wp-content/uploads/2021/11/113.jpg

THE COACH 代表
こばかな

THE COACH 代表。デザイナーとして株式会社DeNAに入社後、株式会社THE GUILD、フリーランスを経て株式会社THE COACHを創業。キャリアとエグゼクティブを中心にコーチングの実績400人以上。国際コーチング連盟認定コーチ(ACC)。開講以来、講師として150名以上のトレーニングを担当。Twitterやnoteでコーチングについて発信しており、SNS合計フォロワー数6万人以上。
more article
media
日常を揺るがす「何か」に気付かせてくれる5冊
エンタメ
date 2024/12/21