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もう戻れない…折りたたみスマホなしの生活

今年のベストバイ・スマホは「Galaxy Z Fold3 5G」

author: 山根 康宏date: 2021/12/10

画面が曲がる折り畳みスマートフォンは2019年に第一世代目となるモデルが数社から登場したが、完成度の低さや価格の高さから一部のマニア層が飛びつく程度の製品にとどまった。しかし、それから2年がたち、ついに高品質かつ実用性の高い折り畳みスマートフォンが登場したのだ。従来のスマートフォンの使い方を大きく変える製品として、世界各国で大きな話題となっているのがサムスンの「Galaxy Z Fold3 5G」だ。

国内未発売のサムスン「Galaxy Z Fold3 5G」メモリ512GB

「Galaxy Z Fold3 5G」は、サムスンの3機種目となる横折り型のスマートフォンだ。筆者の居住する香港ではメモリ256GBモデルで1万4598香港ドル、約21万4000円で販売されている。なお「Galaxy Z Fold3 5G」は、日本でもドコモとKDDIから販売されているが、香港販売品はSIMカードが2枚入る仕様で、本体カラーも3色展開など仕様が一部異なっている。

筆者はスマートフォンで動画をよく撮るが、「Galaxy Z Fold3 5G」は外部メモリカードが使えずメモリの容量不足になる恐れがある。そこで筆者が購入したのは日本で販売されていないメモリ512GBモデル。1万5398香港ドル(約22万6000円)だ。本体カラーはファントムグリーンを選んだが、深みのある落ちついた艶消し緑は高級かつ上品なイメージ。20万円を超えるスマートフォンにふさわしい外観と言える。

閉じればスリムな6.2インチ画面スマホとなる

スマホの大型化が迎えた限界と新たなスタンダード

筆者は長年、大画面スマートフォンを使ってきた。スマートフォンの画面に2つのアプリを表示したり、臨場感あふれる動画再生を楽しみたいからだ。その筆者の思いを実現するかのように、近年のスマートフォンはどんどん大型化が進んでいる。

しかし、人間の手のひらサイズは変わっていないから、その大型化はそろそろ限界を迎えつつある。「大きい画面のスマートフォンが欲しい」。そう思う筆者にとって、折り畳みスマートフォンは今のスマートフォンの画面サイズの大型化の制限を打ち破る画期的な製品に見えた。

すでに複数社から折り畳みスマートフォンが発売されているが、「Galaxy Z Fold3 5G」は他のスマートフォンと異なり専用のスタイラスによる手書き入力にも対応している。さらにL字に本体を折りたたんだ状態で使えばスタンドいらずで動画を見たりビデオ会議に参加したりできる。“画面が曲がるだけではない”折りたたみスマートフォン、それが「Galaxy Z Fold3 5G」なのである。

2つのアプリの同時表示も可能

もう戻れない…折りたたみスマホなしの生活

「Galaxy Z Fold3 5G」は閉じれば6.2インチ画面、横幅67.1mmと細身で持ちやすい。混雑した電車内では閉じたままSNSを見るなどスリムなスマートフォンとして重宝する。一方、車内の座席が空き座ったときは本体を開き7.6インチ画面の大画面を利用できる。

開いた7.4インチ画面は小型タブレットのように使える

またペンが使えるのでカフェで休憩がてら、開いた画面にノートアプリを立ち上げペンを使ってアイディアを書き留める、あるいはビデオ会議中にメモアプリに要点をペンでまとめる、なんてこともできるのだ。アナログ(手書き)とデジタル(ノートやメモアプリ)が融合したデジタルステーショナリー、そんな使い方もできるのである。

L字に折れば動画視聴やビデオ会議も楽にできる
ペンを使えばクリエイティブツールとなる

同じようなことはスマートフォンと小型タブレットを2台持てばできるかもしれないが、「Galaxy Z Fold3 5G」なら環境に応じて「スリムなスマホ」「大型画面の小型タブレット」と使い分けできる点がとても便利だ。

「Galaxy Z Fold3 5G」なしでは生活できないほど重宝している

スマートフォンの画面サイズでは動画を見るのにもメモを取るにも窮屈と感じている人、普段タブレットを持ち運んでいるけど混んでいる電車の車内では使いにくかったり荷物を減らしたい人、そんな人たちに「Galaxy Z Fold3 5G」は適した製品と言える。折り畳みスマートフォンは画面が曲がるギミックに目を奪われがちだが、新しい使い方のできる次世代のスマートフォンなのである。

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携帯電話研究家
山根 康宏

香港在住。最新のIT・通信事情を取材するため世界各国の展示会・新製品発表会を1年中追いかけている。日本のメディアに海外事情の執筆記事多数。訪問先では現地取材と称し地元のキャリアや家電店を訪問し必ずスマートフォンを買い求める。最新のハイスペックモデルからジャンクなレトロ端末まで興味の幅は幅広く、時には蚤の市で20年前の携帯電話を買っては喜んでいる。1度買った端末は売却せず収集するコレクターでもあり、集めた携帯電話・スマートフォンの数は1700台を超える。YouTubeでは日本で手に入らないスマートフォンや香港情報を発信している。YouTubeチャンネルは「yamaneyasuhiro」。Twitter ID「hkyamane」、Facebook ID「hkyamane」。
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