高温多湿の日本の夏。少し動くだけで大量の汗が流れるように、ランナーにとってはタフな季節の到来だ。そんな厳しいコンディションでも快適に走らせてくれるテクノロジーがアンダーアーマーの「Iso-Chill(アイソチル)」だ。
特殊構造の糸を採用した生地が肌に触れた瞬間から熱を奪う
吸汗速乾性に優れているのはもちろんのこと、特別に設計された平らな断面の糸が熱を均等に発散することで、この特殊構造の生地が肌に触れた瞬間に涼しさを提供。これまで存在したスポーツアパレルの機能性よりもワンランク上の快適性をランナーに与えてくれる。
スポーツアパレルの世界において、かいた汗を吸収して素早く乾燥させる“吸汗速乾性能”を保持することは当たり前となったが、30℃を超えることも珍しくない日本特有の高温多湿の夏は、並みの吸汗速乾性では太刀打ちできないのも事実。
今回紹介するアンダーアーマーのIso-Chillは、熱伝導性の高い冷感吸汗速乾糸を用い、生地が肌に触れることで冷却効果を生じさせるメカニズムを採用。さらに毛細管現象を利用した生地構造により、吸汗速乾性を高め、汗でベタつかず快適な着心地を実現している。冷感をウリにしたテクノロジーには汗をかいて初めて機能するタイプもあるが、瞬時に冷やすことができるのも大きなメリットだ。
今から7年ほど前にアディダスが“クライマチル”というテクノロジーでアルミ製のドットを、最も熱を感じやすい首裏から肩にかけて配していたが、アンダーアーマーのIso-Chillは肌への接触面積が多い特殊な糸を用いることで、着用時に熱を素早く拡散し接触冷感の効果もたらすので、衣類全体に冷却効果がある点は注目すべき点だ。
まずトップスのUAアイソチル ラン ショートスリーブを着てみると、肌触りの良い柔軟な素材が肌に触れた瞬間にヒンヤリとして心地よい。素材は90%ナイロン、10%が伸縮性を確保するためのポリウレタン系のエラスタンであり、吸汗速乾素材で最も多用されるポリエステルを使用していない点も注目すべきところ。
ナイロンはポリエステルと比較すると公定水分率(温度20℃湿度65%の環境における繊維内の水分率)が高いためにしっとりとした柔らかい肌触りとなり、これまで着てきたランニング用トップスと明らかに着用感が異なる。最初に試したのは屋外でのランで、当日は時々太陽が顔を出す曇天。気温は28℃であったが、湿度が高いために発汗量も凄く、肌も火照った状態であったが、Iso-Chillのおかげで日課の6Kmの間は快適。特に風が吹いた時は清涼感が増した気がした。
夏場の走行距離を伸ばしてくれる気持ちよさ
その翌々日は、このトップスにプラスしてIso-Chill機能を採用したランニングショーツであるUAアイソチル ラン 2 in 1 ショーツも着用したが、こちらも独特の清涼感が心地よかった。このショーツは激しい動きにも対応する伸縮性に優れた4ウェイストレッチのポリエステルをショーツ本体に、インナーショーツにIso-Chillテクノロジーを採用。インナーショーツはメッシュ生地となっており、吸汗速乾性、通気性も高レベル。
この日はいつもより距離を延ばして10Kmを走ったが、これまで履いてきたランニングショーツよりも明らかに快適性は上であった。ショーツの内部に熱がこもらないのである。そして、このIso-Chillテクノロジーの優位性を特に体感したのが、スポーツジムのトレッドミルで走ったとき。
通気性を追求した全身メッシュのランニングウェアでもトレッドミルを走る際は風が衣類内部に流れ込むことがないので、身体から発散された熱を外部に逃がすことはできても、身体を冷やすことは難しい。
一方で、Iso-Chillのウェアは着用した瞬間に熱を素早く拡散し接触冷感の効果をもたらし、その冷却効果は長時間持続される。一般的なランニングウェアと比較すると若干高めの価格設定だが、その快適性を考慮すれば納得できるレベルだ。
アンダーアーマーのIso-Chillテクノロジーは、「夏季においても走行距離を減らしたくない!」「高温多湿の環境下でも快適に走りたい!」といったランナーにぜひともトライしてほしいテクノロジーといえよう。
アンダーアーマー
製品提供:アンダーアーマー