没頭できるような趣味を持っている人って、楽しそうで憧れる。実際、「趣味」と言われても、コレと言ってないかもしれない。そんな、趣味迷子のみなさん。ちょっとハードルを感じる趣味の世界に、私たちと一緒に飛び込んでみませんか?
本連載では、様々なジャンルのプロフェッショナルたちに力を借りながら、これまでチャレンジできなかった趣味の世界を探検します。思いがけない「楽しい」や「好き」と出会うかも?
第一回目は、「釣り」に挑戦! 道具を一から揃えて始めるのはハードルが高いし、海や川といった遠方の釣りスポットに行くのは腰が重い。そんな釣りビギナーさんにピッタリな、都内からサクッと行けて、道具もレンタル可能な管理釣り場で、まずは「釣り」の楽しさを体感しよう。
高橋 春織
1997年2月5日生まれ。東京都出身。俳優。映画やドラマ、CMなど、様々な作品に出演し、活躍の場を広げている。フィルムカメラでの撮影、編集が好き。映画『世界征服やめた』ではスチール写真を担当。特技はダンス。
Instagram:
@haoringo_official
サイトウリューヤ
管理釣り場 「多摩湖フィッシングエリア 」ディレクター。お仕事は、「みんなが楽しく過ごせる釣り場」を作る事。そして、日々、釣り初心者の方を「釣り人」にする事。釣り好き、と言うか釣り道具好き。カッコいいと思う道具でスタイルのある釣りをすることがテーマ。「いっぱい釣る」よりも「楽しく釣る」を重視。 日々、ひまさえあれば、海、川、湖、問わず身近なターゲットをルアー、フライで 釣っている人。 埼玉県飯能市在住。2児の父。
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@gep.ryuya.fishing
都内からアクセスしやすい、自然豊かな「奈良子釣りセンター」
新宿から電車とタクシーを乗り継ぎ、約90分。車がなくても、都内から自然豊かな釣り場に行ける「奈良子釣りセンター」。釣りに挑戦するのは、俳優の高橋春織さん。「キャンプは好きでよく行くけど、釣りは小さい頃に釣り堀へ行ったっきりです」ということで、先生にガッツリ教わりながら釣りの世界を堪能しましょう。
高橋:サイトウリューヤ先生、今日は釣りのレクチャーよろしくお願いします。 「奈良子釣りセンター」は、オススメの釣り場だとか?
リューヤ:釣りに必要な道具がレンタル可能で、手ぶらで行けるんです。はじめて行くには、ピッタリですよ!
高橋:最寄りの大月駅まで、新宿から電車で1時間ちょっと。大月駅から釣り場までは、タクシーで30分くらい。あっという間に到着しました。お休みの日にサクッと行けそうですね。
リューヤ:奈良子釣りセンターは、ルアー釣りやエサ釣りといった様々な釣法が楽しめる釣り場です。奈良子川の自然渓流をそのまま使用した2つの渓流エリア、タイプの異なる2つの池、計4つの個性的なエリアで釣りが可能です。
ならご池という初心者向けのポイントからワンステップ上のストリームエリアがあるので、段階的に楽しめる環境が魅力のひとつ。施設によってマナーがあるので、事前にチェックしておくと安心ですよ。
高橋:釣りは久しぶりに挑戦します。 とても楽しみな反面、本当に釣れるのか少しだけ不安かも。そんな私みたいなビギナーさんでも、管理釣り場の人に気軽に相談できるということで始めやすい環境ですね。
奈良子釣りセンター
住所:山梨県大月市七保町奈良子10番地
営業時間:6:30〜17:00
X:
@naragofishing
いざ、フライフィッシングに挑戦
釣りといっても、エサ釣りやルアー釣りなど様々な釣法があります。今回は、その中からフライフィッシングに挑戦。
高橋:フライフィッシングとは、どのような釣り方なんですか?
リューヤ:フライフィッシングは、小さな虫や幼虫といった魚のエサに似せた「フライ」という小さな釣り針を使う釣り方です。ここにいる魚たちは、ニジマスやイワナなどの淡水魚たち。彼らは小さな虫や幼虫を食べているんですよ。
ピンクや白、緑などカラフルなフライがズラリ
リューヤ:今回は水面に浮く「ドライフライ」というタイプから挑戦します。道具は釣り場でレンタル可能ですが、今回は僕の道具を使って釣りに挑戦してみましょう。
(右)釣り道具を説明する齋藤さん(左)高橋さん
フライフィッシング道具
🎣 ロッド(竿)
🎣 リール
🎣 フライライン
🎣 テーパーリーダー
🎣 ティペット
🎣 フライ(毛鉤)
リューヤ:まずは、初心者向けのならご池から始めてみましょう。釣り方は意外と簡単。フライを水面にそっと落として、魚が食べに来るのを待つだけ。もし反応がなければ、もう一度投げ入れてみましょう。
高橋:小魚ではなく空中や水面に落ちた虫に見立てて、おびき寄せるんですね。
リューヤ:そうです。季節や時間帯、川にいる魚の種類によって、効果的なフライが変わります。コツは、魚が食べている虫に似たフライを選ぶこと。その都度、ピッタリなフライを見つけるのが楽しいんです。合うものが見つかるとたくさん釣れますよ。
高橋:釣り竿を投げ入れるの、案外難しい......。
リューヤ:竿を前に押し出すイメージでトライしてみてください。魚が食いつきそうなポイントに投げ入れるのもコツです。パクっと魚がくわえたら、竿を上にあげてフライラインを手繰り寄せると逃さずに釣れますよ。
高橋:だんだん、投げるのに慣れてきた気がします。あとは、お魚さんが食いついてくれれば......。
リューヤ:高橋さん、感覚を掴むのが早いですね。竿さばきは、慣れるのみ! ここからは、フライフィッシングの醍醐味「魚が好きそうなフライ」を探していきましょう。フライの色を変えてみたり、場所を変えてみたり。色々試してみてください。
高橋:あっ、ヒットしたかもしれないと思ったら、抜けちゃった......!
リューヤ:惜しい~。水面の下の世界を想像しながら、じっくり観察していると竿を上げるタイミングが掴めるようになりますよ。
齋藤:ならご池で感覚をつかんだあとは、ストリームエリアへ。川の流れを読む必要があり、少し難易度が上がりますが、それも楽しいですよ。
高橋:ここも自然豊かで気持ちいいですね。あれ、フライの様子が違うような。もしかして掛かっている?
リューヤ:そのまま集中~。
高橋:やった! 釣れました! フライの色や細さを変えてみたら、すぐにヒットしました。めちゃくちゃ嬉しいです。
リューヤ:おめでとうございます! ここからはどんどんヒットすると思いますよ。今使っているドライフライから、ウエットフライも使ってみましょうか。フライが水に沈むので、魚が喰い付いたかどうか判断が難しいですが、ウキ(インジケータ)を使うとヒットしたかどうかわかりやすくなりますよ。
高橋:さっそく、2匹目もヒットしました! どのフライがいいか色々試しながら、探り当てる楽しさはコレか~。
自分で釣った魚をその場でガブリ!
奈良子釣りセンターでは、自分で釣り上げた魚を管理釣り場のスタッフさんが丁寧に処理し、調理してくれます。プロの手にかかれば、素人では難しい魚の下処理も完璧。釣りの醍醐味を存分に味わった後は、美味しく調理された魚に舌鼓を打つことが可能です。
今回は、ニジマスの塩焼き、ガーリックバターソースをたっぷりかけたフランス焼き、フレッシュオリーブオイルとブラックペッパーをかけたイタリア焼きを堪能しました。
高橋:おいしい! 自分で釣った魚だからこそ感じられる特別な味わいに、心が満たされます。熱々の塩焼きにかぶりつくのがたまらないです。思わず声が漏れるほど、どの料理も絶品でした。
リューヤ:ここで味わえるのは魚だけじゃないんです。奈良子釣りセンターのある山梨の郷土料理である「ほうとう」も僕のイチオシです。
高橋:塩焼きの後に食べる温かいほうとうに身も心も満たされて、ほっこり。郷土料理も味わえるなんて、その土地の良さも感じられるのは、最高ですね。
高橋:大自然の空気はとっても気持ちが良くて、川のせせらぎに癒やされながら釣りをする時間は、都内ではなかなか味わえないひとときでした。釣れたときの感覚が忘れられないな~!
釣りの沼へようこそ、さらに釣りを楽しみたい人にオススメショップ&スポット
高橋:すっかり釣りの魅力に夢中です! 釣りの道具も欲しくなっちゃいました。
リューヤ:釣りの道具を買うなら、渋谷にお店を構える「サンスイ渋谷店 Part 1&Part 2 SHIBUYA SANSUI」と僕もよく行く「上州屋八王子店」がオススメです。店員さんが丁寧に相談に乗ってくれると思いますよ。
高橋:何を買えば良いか分からないなと心配していたので、心強いです。困ったときに教えてくれる先生がいるとビギナーにとっては安心ですね。
リューヤ:慣れるまでは、教えてくれる人がいる釣り場に行くのもオススメです。奈良子釣りセンターは、管理している渡辺さんに声をかければ助けてくれるはず。僕も西武遊園地の流れるプールを利用した「多摩湖駅前フィッシングエリア」を運営しているので、いつでもレクチャーしますよ。
高橋:次のオフは、さっそく釣り場に行ってみようかな~!
🎣オススメの釣り場
・多摩湖駅前フィッシングエリア
ウェブサイト : https://www.s-fishingarea.com/
🎣オススメの釣具店
・サンスイ渋谷店 Part 1 & Part 2 SHIBUYA SANSUI
ウェブサイト : http://shibuya.sansui1902.jp/
Instagram : @shibuya_sansui
・上州屋 八王子店
ウェブサイト : http://www.johshuya.co.jp/shop/top.php?s=17
※「Beyond magazineを見た」と伝えると、丁寧な説明を受けられるかも(笑)。
監修:サイトウ リューヤ
Text:乙辺 さゆり
Photo:Hide Watanabe
Edit:舩岡 花奈