バッグの中身には個性が出るもの。必要なものだけで揃えたい人、お気に入りのもので満たしたい人、思い出を常に傍に置いておきたい人。アイテムも想いも千差万別、だからこそバッグの中にはロマンがある。そこで、今をときめくあの人のバッグの中身をのぞき見して、その人の内面や想いに迫ろうというのがこの連載。
第3回に登場するのは、ヘアメイクアップアーティストの池田奈穂さん。アイテム選びの基準は“直感”という池田さんのハートを射抜いた品々から、この夏知りたいメイク&スキンケアのハウツーやアドバイスまでご紹介。
池田奈穂
1992年2月生まれ。大阪府出身。東京のヘアサロンに勤務後、独立。2019年にはロンドンへ留学。2年間の留学期間を経て、現在はフリーランスのヘアメイクアップアーティストとして、ファッションブランドや広告などの現場で活躍中。Instagramなどから発信される本人の洗練された雰囲気、スタイルにも注目が集まる。
Instagram:
@naho__ikeda
「あまり物を持ち歩きたくないので、荷物は少なめ。仕事で使うアイテムはスーツケースにまとめていて、手持ちは大体いつもこのラインアップです。ちなみに、バッグは機能性よりも見た目重視です。小さいバッグから、水色や黄色といったカラフルなバッグまで、大きさもカラーもさまざま。パッと見の直感で『かわいい!』と思ったものを選んでいます」
Foundry Mewsのバッグ
「友だちがやっているブランド・Foundry Mews(ファウンドリー・ミューズ)のバッグです。細長いシルエットだけど容量が大きいので、折り畳み傘や水筒も持ち運べるし、持ち手を長くすることもできて便利。最近は仕事とプライベートでバッグを使い分けることが減って、このバッグばかり愛用していますが、他にはSAGAN Vienna(サガン・ヴィエンナ)というブランドが好きで、そのバッグもいっぱい持っています」
JIL SANDERのお財布
「お財布は小さい派。現金を使うことがあまりないので、基本カードしか入れていません。以前も同じ形のカーキ色のお財布を使っていたんですが、3年くらい使ううちにボロボロになってきたので色違いを購入。そのときに一番『かわいい!』と感じたイエローにしました」
AURALEEのサングラス
「去年ふらっとAURALEE(オーラリー)のお店に立ち寄ったときに一目惚れしてゲットしたサングラス。サングラスは何種類か持っていますが、結局こればっかり使っています。特に今の時期は大活躍なので、常にバッグの中に入っていますね」
Foundry Mewsのエコバッグ&TEKLAのハンドタオル
「スーパーマーケットに行ったときやバッグに入りきらない荷物が増えたとき用に、エコバッグも持ち歩いています。バッグと同じFoundry Mewsのもので、畳んだ状態だとすごくコンパクトなんですが、開くと大きくてとても重宝しています。白と赤のデザインもかわいいんですよね。
TEKLA(テクラ)のハンドタオルはすごくお気に入りで、5種類くらいをデイリー使いしています。私は汗っかきなのでタオル地なのが良くて、それにカラフルで見た目もかわいい。同じブランドが揃っている方が収納しやすいので、自宅にあるタオルはすべてTEKLAで揃えています」
「持ち歩きコスメは少なめ。朝ベースメイクをしっかりしていくので、出先でファンデーションを直したりすることは基本的にありません。ちなみに、写真の下に写っている『OKINAWA』と書かれた缶は、メイク道具ではなく、沖縄で購入したミントタブレットです」
kiiksのマルチバーム
「水原希子ちゃんがディレクターを務めるkiiks(キークス)のアイテム。ハマナスローズを使ったマルチバームなんですが、香りがめちゃくちゃ良いんです。
リップにはもちろん、肌の保湿や髪の毛にも使えて本当に便利です。今年の2月から使ってるんですが容量たっぷりなので、まだまだ使えそうです」
PURCELLのミストセラム&NONFICTIONのハンドクリーム
「最近は日焼け止めを塗ると肌が乾燥しがちなので、乾燥対策としてミストセラムを持ち歩くようにしています。飛行機での長時間移動のときにも便利。化粧水代わりに肌を潤して、マルチバームで保湿する……という合わせ使いも。PURCELL(パーセル)のミストセラムは知り合いにおすすめしてもらったもので、手に収まるサイズ感も見た目もお気に入りです。
ハンドクリームは職業柄、手が乾燥しやすいのでいつも持ち歩いています。これはベタつかないのでとても使いやすいです」
「冬は乾燥を意識しますが、夏は汗をかくからついつい保湿を怠りがち。なので意識的に保湿アイテムを持ち歩くようにして、日焼け止めを塗り直す前にはしっかり保湿するようにしています。
よく『日焼け止めは2〜3時間に1回塗り直すと良い』なんて言われていますが、そこまで塗り直すのは海に行くときや、四六時中野外にいるときくらい。乾燥もしやすくなるので、普段はそこまで塗り直さないです」
BRIGITTE TANAKAのポーチ
「青いポーチは、フランス・パリにあるBRIGITTE TANAKA(ブリジット・タナカ)という、オーガンジーバッグで有名なブランドのもの。これは、数ヶ月前にパリに行ったときにゲットしました。こまごまとしたものが多いので、バッグの中でばらつかないようにこの中に入れています。オーガンジー素材でかわいいのと結構丈夫なので、ついついいっぱい入れちゃいます」
M.A.C、ADDICTION、KATE、rom&ndのリップ
(左から)
ADDICTION ザ マットリップリキッド 015
rom&nd 13 スコッチヌード
KATE リップモンスター 05 ダークフィグ
MAC マキシマル シルキー マット リップスティック 669 ウォーム テディ
「外ではあまり化粧直しをしないので、持ち歩きコスメはマルチバームとリップのみ。内容はその日の気分で変わりますが、だいたい赤系・ピンク系・ベージュ系の4本ぐらいを常備。リップを塗らないまま家を出ることが多いので、どんなメイクでも対応できるように多めに持ち歩いています。中でもADDICTIONのマットリップと、KATEのリップモンスターは落ちにくくてお気に入りです」
「夏のベースメイクは、日焼け止めと下地が一緒になっているので楽という理由から、ANESSAのデイセラムを下地に使っています。ファンデーションとパウダーは最近hinceを使っていて、クッションファンデの上に『セカンドスキンエアリーパウダー』を使うと、肌がサラサラしてテカリを抑えてくれます。家を出る前にCLARINSのフィックスミストをかければ完成。仕事ではMAKE UP FOR EVERのフィックスミストも使っています」
「ずっと使っているのが、KATE『ラッシュフォーマーEX』の透明感ブラック。『黒いマスカラは強い印象になりがちだけど、ブラウンだとなんだか物足りない……』と悩んでいるときに見つけたんですが、真っ黒じゃなくて透明感のあるブラックなので使いやすくてちょうど良い。ウォータープルーフなので、下まぶたにつかないし、時間が経っても取れないが良いですね」
FRAMAの香水
「香水は、ウッディな感じや柑橘っぽい香りが好き。いくつもある香水の中からその日の気分に合わせて使い分けているのですが、その中でも特にお気に入りなのがFRAMA(フラマ)の香水。コペンハーゲンに行ったときに、そろそろ香水がなくなるから……と店舗へ買いに行ったら、欲しかったサイズが売り切れていて、ショックを受けていたら『お試し用のやつがあるからあげるよ』とお店の人にもらいました。持ち運びにちょうど良いコンパクトなサイズだったのでラッキー!」
友だちのお母さんからもらったハンドメイドポーチ
「友だちのお母さんが作ってくれたポーチで、ここには頭痛薬や胃薬、目薬など薬類をまとめます。暑い日はすぐ頭が痛くなるのと、撮影現場でモデルさんにお渡しすることもあるので、薬類は持ち歩くようにしています。海外に行くときもやっぱり日本の薬を持っている方が安心です」
「よく海外に行くんですが、そのときはコスメよりも食品系を買うことが多いです。洋服とかは現地の古着屋さんに行ってかわいいものがあれば買うこともありますが、『これ日本でも買えるよね』って思うことも多くて。それに持ち帰る荷物が多くなるのも嫌なので、買い物は控えめ。
英国ロンドンに住んでいたときにマーケットに行くとかわいいものにたくさん出合って、そこで色々買ってしまって日本に持ち帰ったんですが、その結果家に物が多い状態に。全部好きなものなので失敗だとは思ってないんですけど、これ以上は増やさないように心がけています(笑)」
URBAN BOBBYのスマホケース
「URBAN BOBBYという友だちのブランドのスマホケースで、去年の秋ぐらいから使っています。それまでは透明なケースでシールやステッカーを入れていたんですが、今はこのレザーの質感がお気に入り。カードが入る仕様で、クレジットカードや滞在する国で使われているICカードなど、3枚くらい入れていることが多いです」
AirPods(第2世代)
「移動中はAir Podsで、自宅ではiPadのスピーカーで音楽を聴いています。今よく聴いているのは、最近ライブに行ったFKJや、ビヨンセの最新作『Cowboy Carter』など。ライブにもたまに行っていて、今年は宇多田ヒカルとトム・ヨークの来日公演にも行く予定です」
「何か物を買うときは、しっかりとした作りで長く使えるものがマスト。トレンドを追って何かを買ったり、手持ちのものを頻繁に買い替えたりすることはあまりないです。ただ、スキンケアアイテムは同じタイミングで消耗するので、3〜4か月に1回丸ごと新調しています。
あとはやっぱり、『かわいい』と一目惚れしたものを選びたい。『自分に似合うとわかっているもの』と『自分がかわいいと思ったもの』なら、私は後者を選びます。これ自分に似合うな、と思うものって、多分もうすでに持っていると思うんですよ。それなら似たようなものを選ぶよりも、違うものを選ぶ方が楽しいはず。
それに、基本的に一目惚れで買っても、すでにあるものともなじむ気がしています。年齢を重ねるとともに自分に似合うものがわかってきたので、今は直感で手にしたものでも自然と自分になじみの良いものが選べています。一目見て『かわいい』と思う、その直感を大切にしたいですね」