コロナ禍をきっかけに人々の健康意識が高まり、自宅トレーニングを行う人が増えている。自宅に理想的なトレーニング環境を整えるのはなかなか難しいが、モチベーション維持と効率の良いトレーニングをサポートしてくれる魅力的なフィットネスバイクがある。気鋭のインテリアスタイリスト鬼澤孝史が、そのデザインも絶賛する「Bike Personal」を実際に試してきた。
イタリアデザイン界の巨匠が手がけたフィットネスバイク
自宅トレーニングのメリットは、“ジムに出かける”というハードルがなく家にいるときはいつでもできること、寒さ暑さが関係ないこと、極端なことを言えば部屋着でできるしすぐにシャワーが浴びられることなどが考えられます。僕は有酸素運動が好きなこともあって、自宅に置きたくなるようなフィットネスバイクがないかなと探していたところ、Technogymの「Bike Personal」のデザインに一目惚れしてしまいました。
Technogymは、1983年にイタリアで創業したフィットネスマシンメーカー。そのデザイン性と機能性が支持され、高級ジム、ラグジュアリーホテル、エステサロンやスパなどに、そのマシンが採用されています。宿泊したホテルで見かけたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
そして、ホームユース用製品のPERSONAL LINEは、イタリアデザイン界の巨匠、アントニオ・チッテリオ氏が手掛けています。さまざまなブランドとの共同で家具を制作し、ホテルやオフィス、地下鉄などのデザインにも携わるなど、彼の活躍は多岐に渡っています。
流線的なフォルムと艶やかなアルミニウム素材、ミラーを巧みに使った浮遊感を感じるデザインは、いわゆるエクササイズ用のバイクとは明らかに一線を画すものでした。これならば、インテリアにこだわったリビングやベッドルームに置いても違和感がありません。
ペダル部分の円形のミラーがデザインのポイント。床が映り込むことで浮遊感がある
デザインだけでなく機能も充実トレーニングの継続をサポートしてくれる
今回、Technogymのショールームにお邪魔して、「Bike Personal」を実際に体験してきました。まず驚いたのがそのコンパクトさ。半畳くらいのスペースがあれば十分に設置が可能なので、仕事部屋の片隅にも置くことができそうです。
「Bike Personal」は、インターネットに接続できるタッチスクリーン付きのマシンなのですが、トレーニングを継続し、目標を達成するためのコンテンツが豊富に用意されていました。「Technogym Sessions」は、バーチャルトレーナーによるマンツーマンのセッション。
トレーナーもたくさん用意されているので、自分に合ったトレーナーを見つけることが可能です。トレーナーの指示に従い、ペダルの重さや、ケイデンス(回転数)を調整するのですが、これが楽しくもなかなかハード。一人でバイクを漕ぐだけでは難しいところまで、しっかりと追い込むことができます。
「Technogym Routines」は、ユーザーの目的に合わせてカスタマイズされたエクササイズ。「Bike Personal」のスクリーンは、Netflixやテレビ番組、Youtubeなどの鑑賞が可能なのですが、「Technogym Routines」の運動プログラムは動画視聴を楽しみながら取り組むことができるのも特長です。動画視聴をしている場合はポップアップメッセージでガイダンスを受けることができます。
「Outdoors」を選択すると、スクリーンに魅力的な自然や都会の風景が映し出され、そこを自転車で走行しているような感覚が味わえます。のんびりと長くバイクを漕ぎたいときにとても適していると思います。
「Bike Personal」を購入すれば、「Sessions」「Routines」「Outdoors」のコンテンツはすべて無料で使用することができます。しかもコンテンツの内容が定期的にアップデートされるので、飽きることはなさそうです。
高い機能性と信頼性を備えたマシン
一通りのエクササイズを体験して改めて感じたのが、Technogymのマシンの完成度の高さ。F1、サッカー、テニス、バスケットボール、ゴルフなど、多くのプロスポーツチームやアスリートがTechnogymのマシンを活用していますが、実際に使ってみると、その性能の良さが感じられます。
ペダルの動きは非常に滑らかかつ静か。コンパクトボディにも関わらず、ガンガン漕いでも安定していて、ブレたりガタついたりということがありません。長時間バイクを漕いでいても非常に快適でした。運動力学・人間工学に基づいて設計されているということが、身を持って理解できました。当たり前ですが、ルックスだけでなく、乗り心地や扱いやすさもしっかりと考慮された設計なのでしょう。
せっかくのフィットネスバイクも、乗り心地が悪ければエクササイズをする気が湧きませんし、長く漕いでいられません。ブレやガタつきは振動や騒音に繋がるので、マンションでの使用は躊躇してしいます。この点、「Bike Personal」は安心してエクササイズを楽しむことができます。
自宅に理想のフィットネス空間を
「Bike Personal」の価格は147万4000円。決して安価ではありませんが、価格以上の価値があるマシンだと言えるでしょう。自宅でいつでも気軽にトレーニングでき、運動習慣が身につくならば安い買い物と言えるかもしれません。ソフトウェアの充実ぶりは他のフィットネスバイクにはないものですし、人に見せたくなるスタイリッシュなデザインは「Bike Personal」にしかない魅力と言っても過言ではないでしょう。特に、自宅の内装、家具の一つ一つにこだわっている方にはおすすめしたい逸品です。
Technogym
Bike Personal
¥1,474,000 (税込)
取材・文:神津文人
写真:佐山順丸