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学生寮が1ヶ月20万円以上!? カップ麺は400円!

海外留学 with COVID19! 現役大学生が見た「アメリカのイマ」

author: 冨田里奈date: 2023/01/27

新型コロナウィルスが発生して早3年。気軽に国境を越えられた時代は遠い昔のようだ。海外旅行好きや留学を希望する学生は、歯がゆい気持ちでこの3年間を過ごしてきただろう。私もそのうちの一人だ。そして2022年の夏、ようやくこの絶望的状況に光がさし始めた。海外渡航の規制が緩和し、少しずつコロナ前の状況に戻りつつある。「ニューノーマル」と呼ばれる時代に海外へ飛び出した大学4年生の私(絶賛留年中!)が、アメリカ留学体験を赤裸々に語る。

コロナで狂わされた留学計画

私が留学を決意したのは、遡ること中学2年生のとき。カナダで経験したホームステイがきっかけだ。たった2週間の海外生活は当時14歳だった私に大きなショックを与え、価値観を変化させる出来事となった。その後大学に進学し、念願の海外留学が目前になった2020年。新型コロナウィルスの感染拡大により海外渡航は絶望的な状況になってしまった。

2015年、中学2年のときのカナダ・バンクーバーへの留学

悔しさと焦りを胸にいつ再開されるかわからないその日を待ち続けた。海外大学の状況は不透明で、留学が可能になったとしても不安は大きい。また、大学4年間の間に状況が好転し、留学が再開されると言う保証はどこにもない。

それでも、私は賭けに出た。

自分の将来を決めてしまう前に価値観を変える経験がしたいと、就活をせず、留学ができる未来を待った。そんな複雑な気持ちを抱えたまま大学4年生で晴れて留学再開の目処がついた。この時点で1年間の留学を希望していた私は必然的に「留年確定」である。卒業を遅らせることは人生計画にはもちろんなかった。多方面から反対を受けた。

しかし、私は敷かれたレールの上を生きていくことよりも、海外に飛び出して生活する経験の方がずっと価値があると考えた。

7年半ぶりに同じ場所で

入寮は400人待ち!異例のコロナ禍留学

こうして始まった留学準備。コロナ禍で直面した「ニューノーマル」は、留学にも適用された。外務省が発表する海外の危険情報をチェックし、留学先の感染症危険レベルを常に把握する必要があった。ワクチン接種証明書や陰性証明書など渡航先の国によって提示が求められる書類も異なるため、自分で調べて準備を進めた。

ワクチン接種証明書。アメリカ入国にはワクチン3回接種が義務付けられていた

何よりも大変だったことは、留学先の家探しである。

新型コロナウイルスの感染が収束に向かってきたことで、留学を延期していた学生が一気に海外生活を始めたのである。現地の学生もオンライン授業から対面授業に切り替わり、実家を出て一人暮らしを始める学生であふれた。

おかげで需要は跳ね上がり、私は寮の申請に2回も断られ、ウェイトリストの400番にされた。大学側も初めての事態に十分な対応をしてくれなかった。

こうして私は行ったこともない国で生活するための家と一緒に住むルームメイトを自力で探すことになった。何もかもが異例の状況に、たった一人で立ち向かっている気分だった。

円安&価格高騰で学生寮は一部屋20万!?

家探しをはじめとして、留学準備でもっとも驚いたことは留学にかかる費用の高さである。私の留学先であるサンノゼという土地は、アメリカでも特に不動産価格が高い場所として有名。

そこに円安という状況が、さらに追い討ちをかけた。学生寮の家賃は日本円に換算すると月20万円を超える。一時は為替が1アメリカドル150円にもなり、普通に生活するだけで日本にいたときよりも1.5倍出費する日々を送った。物価高騰と円安でカップラーメン1個が400円ほど。

アサヒビールは$3.99。現在の為替だと540円ほど

さらに、ロシアのウクライナ侵攻により、円安に加えて燃油サーチャージ料も大幅に値上りし、フライト需要の急増も重なり、留学先までの渡航費は40万円!。これが人生で一番大きな買い物となった。図らずも、留学に対する期待値と、そのプレッシャーは高まることとなったのだ。

シリコンバレーの中心地・サンノゼ

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留学先に選んだサンノゼはカリフォルニア州北部に位置する大都市である。シリコンバレーの中心地として栄え、周辺の街を含めると、apple、yahoo、google、intel、netflix、facebookなど挙げればキリがないほど多くの大手企業本社が密集している。

文系女子の私がこの地を留学先として選んだ一番の理由は、常にイノベーションが起こる街で生活をして、その活気を肌で感じてみたかったからだ。実際、大学の授業でシスコなどの大手企業が講演を開き、インターン先を紹介してくれたり、adobeがキャンパス内で無料のデザインイベントを開いていたり、学生が社会に出るための機会が非常に多く与えられている。

大学内でadobeが開いていたイベント。 自分好みにデザインしたキーチェーンを作成することができた。

学生たちはこのようなチャンスをアグレッシブに掴み取り、できるだけ知識を吸収して経験値を得ようとする。アメリカに来て驚いたことは、学生の活気と、彼らの未来に対してもつ責任の強さだ。

私の火曜サンノゼ州立大学は、特にさまざまな人種の学生が通う多様性が高い学校だが、それは学生を中心とした半レイシズム運動や、学生に対する不当な扱いへの抗議活動が行われてきた歴史の上に成り立っている。

渡米してから早4ヶ月、自由な雰囲気と力強い意志は現代まで脈々と受け継がれていることを日々感じている。このような環境でたくさんの経験と新たな発見が毎日ようにある。この連載では、私が留学中、実際に見て、聞いて、体験した「日本人大学生がみた“リアルなアメリカ留学生活”」を綴っていきたいと思う。

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(株)imago ジュニアコンサルタント/Z世代市場リサーチャー&アナリスト
冨田里奈

2019年に(株)imagoに参加。九州大学内でさまざまな実証実験の運営を経験したのち、現在は企業向けコンサルティングに従事。主にZ世代のもつ金銭感覚や価値観についてリサーチをするほか、様々なサービスにおけるUXデザインの評価分析も行う。2022年夏からはアメリカで留学を開始し、日本と海外におけるZ世代の価値観の違いについて自分の実体験をベースに客観的に分析中。
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