パンを美味しくトーストできるトースターは、高級路線が人気だ。食パンのトーストは、トースターによって焼き加減が大きく変わる。外はサックリ、中はふんわりと焼ける高級トースターは人気が高い。そこで注目の5台を、プロ家電レビュアーの石井和美さんに比較してもらった。どれも売れているモデルだけあって、単にトーストするだけではなく、自動調理や温め直しが得意な高機能製品も多い。今回のテストでは、基本的な食パンのトースト、冷凍した食パンのトースト、ロールパンの温め直しなどを中心に行った。なお、トースターにはポップアップ式とオーブン式があるが、今回はオーブン式で2枚焼きの注目モデルを選んでいる。
「食パン」では、6枚切りの食パンで、焼きムラのチェックや食感などを検証した。
「チーズパン」では、6枚切りの食パンに溶けるチーズを載せて焼く。チーズが溶けて、裏面と表面のムラがないかをチェックする。
「冷凍パン」では、凍らせた6枚切りの冷凍食パンを加熱。冷凍パンモードがあるトースターは専用モードを使う。
「バターロール」では、焦げ目をなるべくつけずにふんわりと温まるかどうかをチェック。
「操作性」では、操作部の使いやすさ、パンの取り出しやすさなどを確認する。
「オリジナル機能」では、ほかにはない便利な機能をチェック。調理をしてみて、手軽にできるかどうか確認する。
ザクッとした香ばしさとしっとりした食感のコントラストを楽しめる
Brand バルミューダ
Item BALMUDA The Toaster
price 2万7940円
spec
外形寸法:幅357×奥行321×高さ209mm
質量:4.4kg
定格消費電力:1300W
「BALMUDA The Toaster」の特徴
高級スチームトースターの先駆けともいえる存在である「BALMUDA The Toaster」は、スチームテクノロジーと細やかな温度制御でさまざまなパンの美味しさを引き出す。まず焼く前、給水口に5ccの水を入れる。運転が始まるとスチームが庫内に充満し、パンの表面が薄い水分の膜で覆われる。
水分は空気よりもはるかに速く加熱されるため、パンの表面だけが軽く焼けた状態になり、パンの中の水分やバターなどの油脂成分や香りをしっかり閉じ込めたまま、本格的なヒーター制御で焼き上がる。トースト、チーズトースト、フランスパン、クロワッサン、クラシックの全部で5つのモードが用意されており、最適な制御を行うことができる。
「食パン」
「チーズパン」
「冷凍パン」
「バターロール」
「操作性」
「オリジナル機能」
スチームでリベイクが中までアツアツ
表面と香ばしさと中心のしっとりした食感が楽しい
知名度が高く、高級トースターといえば「BALMUDA The Toaster」という印象が強い。スチームを使ったトーストは、ザクッとした食感と中心部のふんわりとした食感のコントラストを楽しめる。水を最初に少しだけ入れてから、細かく温度制御をしているので、美味しく焼き上げられた。ムラについては特に裏面が気になったので、熱の回り方についてはもう少し改善してもらえるとうれしい。
冷凍した食パンも、たった1分時間を延ばすだけで、常温のパンと同じように焼けた。また、チーズはあえて焼き色を濃くしているようで、チーズと一緒に食べるミミまわりの香ばしさが特に美味しいと感じた。
何よりも美味しいと感じたのはリベイクだ。ロールパン、フランスパンは外の焦げ目を抑え、中をしっとりとアツアツに仕上げてくれる。スチームの効果が十分発揮されており、表面はそのままで、中がしっとりアツアツという理想的な状態に仕上がっていた。
使い勝手もシンプルで、迷わず操作できる。ただ、モードはトースト、チーズトースト、フランスパン、クロワッサン、クラシックの5つのモードに分類されているが、今回のロールパンのようにモードがない場合は、どのモードにしたらいいのか、わかりにくかった。モードにない惣菜パンなどを加熱する際は、最初は少し迷うかもしれない。とはいえ、よく食べるポピュラーなパン用のモードが用意されているので、これだけあれば十分だという方も多いだろう。モードにあるパンは、それぞれに合わせてしっかり温度制御がされているので、おまかせで最適に調理されるのは便利だ。
本体のカラーが豊富で、キッチンに合わせて選ぶことができるのも嬉しい。レトロな雰囲気を残しつつ、スタイリッシュなデザインも注目してほしい。
製品貸与:バルミューダ