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iPhoneみたいに使えるデスクトップPC

スリム&カラフルな「新iMac」は、楽しみ方の創意を刺激する

author: 山本 敦date: 2021/06/12

アップルがiMacのデザインを刷新しました。エンタメ性能がアップ、ユーザーインターフェースも一段とユーザーフレンドリーになった新iMacはまさしく「iPhoneみたいに使えるデスクトップPC」でした。

7色ある新しいiMacのカラーバリエーションから「グリーン」を試してみました。自然と空間に溶け込む色合いと質感が魅力。

厚さ11.5ミリのiMac。

ついにその存在を消した

「薄いことは正義なのだ」と、わが家に来たスリムなiMacを目の当たりにして改めて強く感じました。24インチ4.5K Retinaディスプレイを搭載する本体部分の厚さはわずか11.5ミリ。あえて強調しますが、ここにはCPUやメモリ、ストレージにスピーカーなどPCにとって大事な“あんこ”の部分もぎっしりと詰まっています。

11.5ミリの本体にロジックボードやサウンドシステムなどが格納されていることが信じられないほどスリムなデザイン。

どことなく愛嬌があり、カラフルなデザインの初代iMacをアップルが初めて発表・発売した1998年、筆者はまだ社会人1年目でした。給料を貯めて最初に買ったiMac G3のカラーバリエーションは“ライム”でした。それから5〜6年ぐらいは大事に使っていたと思います。実機はもう処分してしまったので、写真に撮って想い出を残しておくべきだったと後悔しています。

iMacは当時「デスクトップパソコンって、どうせこんな感じでしょ」という、筆者も含む多くの人が持つ先入観をぶっ壊したパソコンでした。スタイリッシュなのに高性能。本体にデザインと色を統一したキーボードやマウスも付いてくるオールインワン。社会人に成りたての当時、けっして安い買い物ではなかったと思いますが、筆者にとってiMacは本当の意味で「最高のコスパ」を感じさせてくれる価値ある製品でした。

iMacが在宅ワーク環境に新風を届けた

2021年に発売された新しい7色のiMac。わが家には“グリーン”のモデルが来ました。24インチのディスプレイ周辺のベゼル(額縁)は久しぶりにブラックからホワイトになり、幅もスリムになりました。4K Retinaディスプレイを搭載する前機種21.5インチのiMacと同じ本体の縦横サイズで、24インチへの画面サイズアップを果たしています。

6基のスピーカーユニットによるパワフルなサウンドシステムを格納する本体のボトム側パネルには薄いグリーンをあしらい、アルミニウム製のデスクトップスタンドと色調を丁寧に合わせています。本体の背面と側面はボールドで鮮やかなグリーンに。毎日使っていても飽きがこない爽やかな雰囲気と、ステイ・アット・ホームライフに活力を与えてくれる刺激と力強さを併せ持つデザインです。初代iMacの発売から20年以上の刻を重ねて大胆な進化を遂げたその姿をしばらくの間、感慨深く見つめてしまいました。

背面はビビッドなカラー。アルミニウムの質感が存分に活かされています。

映えるルックスだからこそ、新しいiMacは自分のワークスペースでひとり占めせず、リビングやダイニングルームなど自宅の色んな場所に置いてみたくなります。そして実は簡単にそれができてしまいます。

iMacの質量が4.46kgと前機種の21.5インチのiMacよりもさらに軽くなったからというだけでなく、移動する際に本体から着脱しなければならないケーブルの数がわずかであることから、新しいiMacのフットワークは想像よりもはるかに軽くなっています。純正のマウスやキーボード、トラックパッドはすべてワイヤレス。電源ケーブルのコネクタがマグネットによりワンタッチでiMacの本体につながる仕様になったことにも筆者は心ときめきました。

電源ケーブルのコネクタはマグネットで着脱。iMac本体の移動がより手軽にできるようになりました。

深い映像と音の没入感

新しいiMacは仕事からエンターテインメントまで万能にこなせるオールインワンデスクトップです。

本体に内蔵する1080p FaceTime HDカメラで撮影できるビデオはとても画質が良く、またスタジオグレードを標榜するマイクも期待どおりの高音質。ビデオ会議に差が付く「画と声」を通話相手に届けられます。

フロント側ベゼルのトップに1080p FaceTime HDカメラを搭載。ビデオ通話の画質が向上しています。

エンターテインメント視聴の快適さが期待されることも大画面デスクトップPCの宿命。iMacは映画にドラマ、YouTubeの快適視聴にもしっかりと応えてくれます。

24インチの4.5K Retinaディスプレイで4K画質の映画やドラマ、ゲームの高精細なグラフィックスが楽しめるだけでなく、本体に内蔵するサウンドシステムがとてもパワフル。ドルビーアトモス方式で配信される映画や音楽を再生すると、まるでコンテンツの世界に入り込んでしまったみたいにリアルな没入感が楽しめます。

ドルビーアトモス対応のコンテンツにはどうやってアクセスすればいいのか、気になる所かもしれません。映像系はアップル独自の定額制映像配信「Apple TV+」のオリジナルコンテンツや、iTunes Storeで購入・レンタルしたドルビーアトモスで音声を収録するコンテンツが充実しています。音楽系は6月からアップルの音楽サービス「Apple Music」がアップデートされて、数千を超える没入型3Dサウンドのタイトルが加わります。これをiMacで再生すると、まるでコンサート会場で聴いているようなサウンドに包まれる体験が得られます。

YouTubeなどの動画ストリーミングや、テレビ番組の見逃し配信がブラウザで楽しめるTVer(ティーバー)などのサービスも新しいiMacなら大迫力。ひとり暮らしの方の“テレビ兼PC”としておすすめできます。

iPhoneみたいに使えるiMac

最新のiMacに搭載されるmacOS Big Surはブラウザにメール、マップなど主要なアプリのアイコン、コントロールセンターのように直感的な操作感を実現するユーザーインターフェースのデザインをiOS/iPadOSに揃えています。またiPhone/iPad向けアプリの一部がmacOSにも対応したことから、今や新しいiMacは「iPhoneみたいに使えるデスクトップPC」であるとも言えます。

あるいはそのフットワークの軽さから、24インチの画面サイズを実現した「家ナカ用MacBook」として例えることもできるかもしれません。これからはオフィスや在宅リモートワークのメインをiMacとして、外出時にはiPadで軽やかに仕事をこなすワークスタイルが一番クールでスタイリッシュだねと評されることになるのでしょうか。

かつて2013年頃には、アップルが家庭用のテレビを開発しているのではないかとウワサが立ったこともありました。今後、新しいiMacの画面サイズがより大きくなれば、リビングのテレビに置き換わるスマートデバイスにもなり得ると筆者は考えます。発売から23年を迎えたiMacの今後の進化に目が離せません。

製品貸与:アップル

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スマートエレクトロニクス・ライター
山本 敦

オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はオーディオ・ビジュアルからIoT、ウェアラブルまでスマートエレクトロニクスを幅広くカバー。ヘッドホン・イヤホンは毎年300を超える新製品に体当たり中。国内・海外スタートアップの製品やサービスを多く取材、開発者の声を聞くインタビューなどもしています。
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