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運転はできないが、乗り心地はわかる

助手席目線でレポート! シトロエン初のPHEVモデルに乗った

author: 小林 雄大date: 2021/06/25

僕はペーパードライバーだ。学生時代に運転免許証を取得して以来、8年間一度も運転していない。東京に住んでいるから、車に乗らなくても電車とバス移動で事足りるし、いざとなれば「自動車を持ってない分、お金も浮いているし……」と自分に言い訳してタクシーを使う。自動車に対する憧れも薄い世代なので、そもそも購入を検討したことすらない。そんな僕が、フランスの自動車メーカー・シトロエン初のPHEVモデル「C5 AIRCROSS SUV PLUG-IN HYBRID」(以下、C5エアクロスSUV)に試乗するという、なんとも無謀な体験レポをお届けしよう。

ペーパードライバー、運転を諦める

最初に悲しいお知らせがある。8年ぶりの運転は、想像以上に難しかった。加減を知らない大胆なハンドル操作、ガックンガックンと止まるブレーキにより、自分で運転しているのにも関わらず車酔いをしてしまった。加えて、同乗者に恐怖体験をさせてしまったこともあり、運転は断念。大変お恥ずかしながら、まさかの助手席試乗レポとなってしまうことをお許しいただきたい。しかしチャイルドシート時代以降、助手席歴は長い。友人とドライブに行くことも多いので、そうした経験を踏まえて「C5エアクロスSUV」について語っていこう。

CITROËN
C5 AIRCROSS SUV PLUG-IN HYBRID

価格:550万円
全長×全幅×全高:4500mm×1850mm×1710mm
車体重量:1860kg
ガソリンエンジン:PURETECH 1.6L 180PS
電気モーター:80KW
専用オートマチックトランスミッション:ë-EAT8
リチウムイオンバッテリー:13.2KWh
システム総合出力:225PS
最大トルク:320Nm

悪路も未舗装路もなんのその!

先ほど車酔いをしてしまったと書いたが、それはあくまで自らの下手な運転のせいだ。少し休憩をはさみ、助手席からドライブを再開してからはまったく車酔いは訪れなかった。それは「プログレッシブ ハイドローリック クッション」というサスペンション機構のおかげだろう。詳しい説明は省くが、簡単に言えば山道などの悪路でも振動を軽減してくれるというもの。

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今回のドライブコースには、いつもキャンプに行く途中にあるボコボコの林道に似た場所もあったが、たしかに中堅レンタカーとの違いは明確に分かった。衝撃がなめらかというか、三半規管を刺激する嫌な振動、視点の揺れが少ない。車酔いしやすい体質だけど、「C5エアクロスSUV」の助手席はとても快適だ。

シトロエンは足回りの開発にかなり力を入れているそうだ。実際に、自動車を購入した人へのアンケートでは、購入動機や満足している点という質問で「快適な乗り心地」という項目が上位にランクインしている。これは他社メーカーと比較しても珍しいことなのだとか。

環境に良いことは僕らのマスト事項

僕のようなミレニアル世代、ちょっと年下のZ世代にとって環境問題は当たり前のように関心が高いし、日々の生活において少しでも地球に優しい商品を購入している人も多いだろう。そういう意味で、「C5エアクロスSUV」は自動車を買う際の選択肢に入ってくるかも知れない。

PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、つまりはハイブリッドと電気自動車の特徴を併せ持っているので、効率の良いエネルギー利用を可能にしている。「C5エアクロスSUV」の場合は約40km程度は電力だけで走行できるから、通勤やちょっとした買い物くらいだったらガソリンを使わずに走れるってわけ。

ちなみに一般的な家庭用200V電源を使う場合は、約5時間で充電完了。寝る前にプラグを差しておけば、次の日も朝から運転できるのだ。しかも「MyCitroën」という専用アプリを使えば、遠隔操作も可能。例えば、帰宅後にプラグを差しておいて、アプリから充電開始時間を深夜に設定すると電気料金の節約にもつながる。うーん、最新の自動車はすごいな……。

ドライブモードは、電力だけで走行する「ELECTRIC」、燃費効率を最大化する「HYBRID」、エンジンの能力を最大化する「SPORT」の3種類が備わっている。
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自動車は移動手段だけじゃない

正直好みは人それぞれだから断言はできないけど、「C5エアクロスSUV」のデザインはシンプルな中に遊び心があって良い。丸みを帯びた柔らかい印象がありながら、随所にシャープさも感じさせる。街中でシトロエンを見かける機会は徐々に増えたといっても、まだ他の人とあまり被らないところもグッド。

内装については、高級ソファみたいな座面がかっこいいし、なにより快適で疲れにくい。長時間のドライブにも嬉しい特徴だ。後部座席は3つとも独立していて、ひとつずつ倒せるから、長い荷物も収納できる。あとはサンルーフを備えているのが、個人的にソソるポイント。

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今まで自動車は自分に関係ないモノだって思っていたけれど、久しぶりに乗ったら少しだけ気持ちが変わってきた。移動手段というよりは、遊びに行く道具だったり、自分だけの空間だったり、そういう意味で物欲が刺激される。もちろんすぐには買えないし、自分にとって必需品ではなく贅沢品だけど、自動車があったら生活の幅が広がるに違いない。まあ、まずは運転の練習をしなくちゃだけどね……。

取材協力:グループPSAジャパン

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Beyond magazine編集長
小林 雄大

ファッション業界や音楽業界、ソニー・ミュージックエンタテインメントのWebメディア「d365」副編集長を経て、独立。現在はフリーランスの編集者として、企画・編集・執筆を中心に活動。新規メディアの立ち上げや企業内の新プロジェクトなど、情報発信に関わる土台構築から実行まで広く携わる。
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