単なるブームからコスメのジャンルにまで昇格した「韓流コスメ」。ただし、その実は玉石混淆でたくさんの選択肢の中から“玉”を見つけるのが難しい。そこで、巷に溢れている韓国コスメ選びに自信がなくても、男子が使える安心なコスメを厳選。自分で使うのはもちろん、パートナーとシェアしてもOKなアイテムをご紹介しよう。
男子も必見!韓国コスメがもてはやされるワケ
まず、なぜここまで韓流コスメが流行っているのかについて、筆者の個人的見解を述べたい。まず「最新成分や話題の成分を商品化するのが早い」ということが筆頭に挙げられる。コスメのことは知らなくても、ハチやヘビ毒の成分、カタツムリ、シカクリームなどの成分名は聞いたことがあるという人も多いはず。
少し前まで韓国では原料メーカーや処方を持つOEMメーカーが新旧取り混ぜた様々なコスメブランドに特定成分を売り込んで作らせ、話題の成分にしたいコスメを一気に市場に溢れさせるという方法をとっていた。賛否はあるが、マーケティングとして成立はする。目にする機会が多ければ、消費者は関心を寄せるし、その分だけ売上も見込める。有名なブランドは話題の成分だからといって、品質を担保しなければブランド自体を傷つけてしまうので、きちんとしたものを出してくる。
しかし、問題となるのは新規参入組。中にはコスメは門外漢でとにかく「このブームに乗っかって、売り切っておしまい」というところも。そこが問題だったわけで、安かろう悪かろうの弊害も多かった。まあ、これは日本でも、どこの国にでもあることだが、特に韓国の美容業界では散見された。「話題の成分なのにプチプラ!」といって安易に飛びついて、肌トラブルが起きてしまったということも頻発。なんにせよ安さや手軽さだけにとらわれず、しっかり見極めることが必要だ。
そんな状況を経ても人気なのはフットワークの軽さと巧妙なマーケティング、品質の安定から韓国コスメが今、これほどまでに注目されていると筆者は思っている。「使ってみたい」というプリミティブな欲求は強い。ここでは日本の男性が使いやすい韓国コスメを厳選した。
男子にもおすすめしたい5つの「韓流コスメ」
①洗顔料
ラゴム / ジェルトゥウォーター クレンザー
2015年に韓国・ソウルで誕生したまだ若いブランドだが、女優やメイクアップアーティスト、皮膚科学者、大学教授などが集結し、モノ作りへの定評がある。その中でも筆者が気に入っているのは、こちらの伸びがよいクリアなジェルタイプの朝用洗顔料。あえて泡立たない処方で、寝ている間に浮き出てきた皮脂を取り除くだけなら、かえってこれくらいライトな方がよい。肌の水分保持力に着目した成分の“アクアリシア”を配合しており、洗ってもつっぱらずしっとりする。個人的にはシェービングジェルとしても使っていて、ヘビロテ中。220ml 2310円(アリエルトレーディング)
②化粧水
アイムフロム / リフレッシュ トナーパッド(B)
角質ケアできる化粧水を染みこませたパッド。レッドビーツエキス入りでマスクとして貼って保湿にも、洗顔代わりの拭き取りにも使えるという一石二鳥。トナーパッドは最近の韓流コスメのトレンドアイテムで、様々なメーカーから出てきている。とはいえ、アヴェダなどはかなり昔から出していたし、そこまで目新しいというわけではないのに注目を集めているのは、さすが話題形成がお得意というところか。そんなことはさておき、このアイテムは男性にとってとても使いやすいはず。ザラつきが気になる人はぜひお試しを!260ml(60枚入り) 2860円(アリエルトレーディング)
③パック
イニスフリー / スーパーヴォルカニック ポア クレイマスク 2X
日本でもおなじみのイニスフリー。韓国最大の化粧品会社が持つブランドのうちのひとつで、メンズラインも充実している。詰まりがちな毛穴ケアに最適で、火山灰由来の皮脂吸着成分“ヴォルカニック スフィア”が毛穴の奥の汚れを取り除く。また、“テウチグルミ殻粒”や“乳酸”によって、古く厚くなった角質までもスッキリとオフ。クリーミーなテクスチャーなので、肌にのばしやすい。洗い流すタイプで週に1~2度、浴槽にゆっくりと浸かりながら毛穴ケアに勤しむのがお勧め。100ml 1760円(アモーレパシフィックジャパン)
④美容液
ボノトックス / タイムレスコード デュアルステムセルセラム
女優の小雪さんがアンバサダーを務めており、注目度がアップしてきているこちらのブランド。アイテムはいろいろあるが、特に個人的に使ってよかったのが、こちらの美容液だ。“ヒト臍帯血幹細胞由来培養液”と“植物幹細胞由来培養液”の2つの幹細胞を用いた先端コスメで、ふっくらとみずみずしい充実感が得られた。臍帯血とは、母親と赤ちゃんをつなぐ臍の緒から採取するもので、誕生時にしか採取できないとにかく希少な成分。様々な細胞を創り続ける元となる幹細胞配合コスメは数多あるが、その中でも有望株。30ml 1万2980円(ボノトックス ジャパン)
⑤美容液
ファミュ / ルミエール ヴァイタルC
自然派コスメが一同に揃うと評判の“コスメキッチン”で爆売れ中なのがこちら。コスメに敏感な女性ならきっと知っているはず。ケリー・ジョンさんがディレクターを務め、そのエレガントな世界観とたしかな実感のある製品づくりで米英をはじめ、日本でも評価が高い。フェミニンなルックスのコスメが多いのだが、この黒とゴールドの“ルミエールライン”の美容液なら、男性でもOK。ビタミンC誘導体やサフラワー油などがくすみや毛穴の開き、ごわつきなどの肌悩みにもアプローチ。シェアコスメとしても◎なので、パートナーと一緒に使うのもアリ。30ml 8800円(アリエルトレーディング)
これからのコスメが求められているものとは?
このように見てくると、使いたいと思わせるアイテムがきっとあったことだろう。先述したが、韓国コスメのサプライヤーはトピック作りやムーブメントとして牽引する手法が巧みで、これは韓流ドラマのグローバル展開の手法と似ている。
一方で、日本のコスメは家電やITの世界と同じく、最近、後れを取りつつある。「黙ってよいものを作っていれば、本物をわかる人には認められる」とかたくなに信じていてもダメ。機動性やブームを作り出すコンテンツ力が日本製コスメに求められている。その昔、美容業界では「日本で当たれば、世界に通用する」と言われていたが、昨今の円安と同じで発信力が相対的に弱くなってしまった感が否めない。
ほんの少し前に「日本人は箱の凹み程度の些末なことで低評価のレビューをしたり、おかしなクレームを入れたりするので他の国から避けらている」というのが話題になった。このように細かいところまで注意を払うといえば聞こえはいいが、保守主義の行き過ぎが悪い方に作用すると単なるいちゃもんになってしまう。
本来、コスメは嗜好品であって、個人的に役立てばいいもの。「●●の国のコスメだから」や「ブームだから」といって乗っかるのはあまりいただけないが、かといって傍観するのももったいない。ぜひ、楽しみながら、自分磨きに役立てて欲しい。
製品提供:アリエルトレーディング、BONOTOX Japan