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1.0型イメージセンサー搭載がスマホの新トレンド!?

スマホのカメラ画質・機能はここまで来た! 大サイズセンサーだけじゃない「Xperia PRO-I」のスゴさ

author: 山下 達也date: 2022/02/07

2021年12月に発売された「Xperia PRO」シリーズ第2弾、「Xperia PRO-I」が、図抜けたカメラ機能で早くも話題です。そこで、ここでは大型の1.0型イメージセンサーだけでは説明できない、本機のカメラが“最強”な理由をレビューします。

ソニー「Xperia」からも1.0型イメージセンサー搭載スマホが登場!

「Xperia PRO-I」は、高性能を前面に押し出したソニーのスマートフォンブランド「Xperia」シリーズのなかでも、とくに「プロフェッショナル向け」のラインアップ第2弾。

2021年2月に発売された第1弾モデル「Xperia PRO」は、自慢の4K HDR対応6.5型有機ELシネマワイドディスプレイをカメラの外部モニターとしても使えるようにするmicroHDMI端子を搭載。そのほかにも、イベント会場などでの利用を想定されている超高速ミリ波5Gに同社としていち早く対応するなど、映像分野のプロクリエイターにフォーカスした製品でした。

これに対して、2021年12月に発売された「Xperia PRO-I」は、目玉機能であったmicroHDMI端子やミリ波5Gに対応しない代わりにカメラ機能を大幅に強化した別個性の兄弟モデル(「Xperia PRO」は今後も併売)。もとより強力なカメラ機能で人気だった「Xperia」シリーズですが、この「Xperia PRO-I」はちょっと次元が違います。

なんと、同社の高級コンパクトカメラ「サイバーショットDSC-RX100 VII」(実勢価格:15万9500円)に搭載されているものと同じ、大型(1.0型)イメージセンサーが搭載されていると言うのです。ちなみにソニー曰く「PRO-I」の「I」は「Imaging」の「I」とのこと。

……これだけ聞くと、「あれ、1.0型イメージセンサー搭載のスマホってこないだライカのヤツが出たよね」って思った人も多いと思います。

そう、本機に先駆けること約半年前に発売された「LEITZ PHONE 1」および、その双子モデルである「AQUOS R6」(ともにシャープ製)も1.0型イメージセンサーを搭載していました。

それらと比べて「Xperia PRO-I」のどこがすごいのか。はっきり言うと、カメラ機能の作り込みが圧倒的に違いました。

先の参考記事でも述べたよう「LEITZ PHONE 1」は「カメラ」としての作り込みがやや甘く、とくに操作感において微妙にかゆいところに手が届かない感じを受けたのですが(その後のアップデートでAF速度は若干改善しています)、「Xperia PRO-I」は、AF速度や連写速度といったスピード感など、トータルとして非常に高いクオリティをマークしているのです。

機能からUIまで、文句なしにデジカメライクな使い心地

まず分かりやすいところで言うと、AF/AE追従で最高20コマ/秒の超高速連写が可能です。iPhoneのバーストモードでも最高10コマ/秒の高速連写が行えますが、それよりも倍も速く、しかもコマごとにピントも露出もきっちり合わせてくれるのです。具体的な動作については動画で見てもらうのが早いでしょう。

まずはAF(オートフォーカス)の挙動から。電車が遠くにあるうちは線路の部分にピントを合わせていたのですが、電車が近くに寄ってくると即座に電車の顔にピントを合わせ、先頭部分が通り過ぎた後も側面部分にしっかりピントを合わせ続けてくれました。AE(自動露出)についても車体が太陽光を遮ると同時にしっかり追従しており黒つぶれを防いでいます。

そして、スマホのカメラでは非常に珍しい(現行モデルでは本機だけ?)可変絞りにも対応。F2.0とF4.0を切り換えられるだけという簡素なものなのですが、これによってボケ味の微妙なコントロールが可能になりました。

わずか(?)2段分なので、実用上そこまで大きな違いは生まれないのですが(作例参照)、ランチの写真を手前から奥まできちんとピントを合わせて撮りたいなんてときには重宝しそうです。作品作りのための機能と言うより、日常のスナップで情報量を調整したいというときに便利な機能ですね。また、若干ではありますが、解像感も絞った方が(F4.0の方が)シャープなように感じました。

上がF2.0、下がF4.0で撮影したもの

レンズについては、ライカと並んでファンの多い、ドイツの名門「ツァイス」銘のレンズを搭載。独自のT*(ティー・スター)コーティングによって「ゴーストやフレアを抑えたクリアな描写」を実現するとしています。以下はあえて逆光を狙って撮った作例なのですが、確かに効き目を実感することができました。

スマホカメラで逆光を撮ると、謎の光点が映り込んだり、光源を中心とした光ムラが起こることが多いのですが、本機についてはそれがまったくといっていいほど確認できません。この薄型ボディでこのレンズ性能は素晴らしいですね。

トータルな画質も極めて良好。最近のスマホはどれも驚くほど高画質な写真を撮影できますが、さすがはカメラメーカーでもあるソニーが作り込んでいるだけあり、不自然さのない、素直に美しいと思える画質を実現してくれています。

さらにソフトウェア面でも「デジカメライク」を徹底しており、専用「Photography Pro」ではソニーのデジカメ(サイバーショット、α)を模したUIで撮影が可能。画面右のファンクションメニューで撮影設定をクイックに切り換えられるほか、シャッタースピード優先AFやマニュアル撮影なども可能です(画面左上のモード表示部から切り換え)。

細かいところでは本体側面シャッターボタンにもこだわりアリ。大きめボタンにダイヤモンドカット加工を施すことで、慌てて構えても間違いなくシャッター押下できるようにしています。もちろん、半押し対応なのでフォーカス固定しつつシャッターチャンスを待つと言ったことも可能です。

ちなみに左隣ある小さな丸ボタンを押すと、ワンプッシュで動画撮影アプリ「Videography Pro(あるいはCinema Pro)」に切り換えられます。

スマホカメラならではの撮影機能も充実

そしてもうひとつ、「Xperia PRO-I」のカメラ機能で要注目なのが、1.0型イメージセンサーを採用したメインの広角カメラ(f=24mm相当)以外にも、超広角カメラ(f=16mm相当)、標準カメラ(f=50mm相当)を搭載していること。

これらはさすがに1.0型イメージセンサーではなく、レンズもツァイス銘ではないものの、充分に美麗な画質を確保しています。

ちなみに画角の違いはこんな感じ。撮影シーンに応じて切り換えて使うことができます。

f=50mm相当
f=24mm相当
f=16mm相当

T*コーティングされていない超広角カメラでレンズフレアが発生してしまっているのがちょっと気になるところ。もちろん、他のスマホと比べて充分に抑えられているとは思いますが、せっかく本機で撮るならできるだけメインの広角カメラを使いたいですね。

また、サイバーショットなどにもないXperiaならではの強みとして、測距に特化した「3D iToFセンサー」を搭載。本体と被写体の距離を瞬時に、正確に計測してくれるため、より高速で正確なAFが可能となります。特に暗所のような、従来式のAF技術が苦手とするシーンで大きな成果を発揮してくれるでしょう。

あと、個人的にポイント高かったのが、ストラップホールが用意されていること。昨今、国産スマホですらストラップホールのないものが増えているのですが、本機はケースなしでもストラップを付けることができます。グリップのないスマホはどうしてもカメラと比べて落としやすいのでうれしいところです。

なお、側面には従来のXperiaでは見られなかったリブパターンが施されており、これによっても持ちやすさが担保されています。個人的にはデザイン面でも一目で分かる個性になっていてかっこいいと感じました。

そしてその上で、もうひとつ特筆しておきたいのが、本機専用アクセサリーとして外部モニターユニット「Vlog Monitor(XQZ-IV01)」が用意されていること。これを装着し、さらに別売のシューティンググリップ「GP-VPT2BT」を接続することで、自慢の1.0型イメージセンサーを使った自撮り撮影が可能になるのです。

想定する用途はずばりVlog。旅行など動画で残しておきたい思い出を、自分の姿とともに高画質に記録できるようになります。もちろん、「Xperia PRO-I」の5G通信機能を使った生配信といったことも可能です。

この際、シューティンググリップ接続時だけ使える「撮影持続モード」が活躍します。一般的なスマホは本体が高温になると、本体のダメージを抑えるため、そしてユーザーが火傷をしてしまわないように撮影がストップしてしまうのですが、「Xperia PRO-I」の「撮影持続モード」時は(ユーザーが本体に触っていない前提で)ギリギリまで撮影を持続することができるのです。

実際、今回、1時間ほど録画しっぱなしにしてみたのですが、何ら問題なく撮影を続けることができました。ただし、一部のユーザーからは生配信のように通信を断続的に行う状況では、本体内部の熱が限界を突破して撮影が停止してしまうことがあるとの声も。もし、生配信用途に本セットを使いたい場合は、アップデートなどの対策を待ってみてください。

文句なしに現在最高峰のカメラ性能を備えたスマートフォン

どんどん進化するスマホのカメラ機能ですが、「Xperia PRO-I」のそれは、今考え得るスマホカメラの最高峰と言っても差し支えないでしょう。単に大きなイメージセンサー、高品質なレンズを搭載することで満足せず、AF/AE追従超高速連写や瞳AFなど、ソニーのデジタルカメラに搭載されている人気機能をUIなどの使用感も合わせて移植していることにとても感心させられました。

ベタな褒め言葉なのですが、本当に「デジタルカメラそのまま」の撮影機能を備えていました。

もちろん、スマートフォンとしての基本機能もハイエンドクラス。カメラ機能以外の部分は、6.5型4K HDR対応有機ELディスプレイなど、Xperiaのフラッグシップモデル「Xperia 1 III」とほぼ同等(違いはワイヤレス充電非対応、ミリ波5G非対応くらい)。冒頭で「Xperia PRO」にはあるmicroHDMI端子がないと書きましたが「α」などの対応モデルであれば、USB Type-C端子を通じて外部モニターとして使うことができます。

19万8000円という強気な価格設定もこれなら納得? いや、15万円台の高級コンパクトカメラに迫る撮影機能を持ち、15万9500円の「Xperia 1 III」と同等の性能を備えていると考えれば、充分に納得できる価格じゃないでしょうか? 最高のカメラ機能を求めている人にぜひ検討してもらいたい選択肢ですね。

製品貸与:ソニー

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デジタルグッズライター
山下 達也

ジアスワークス有限会社所属。「デジタル」が世の中に浸透し始めた90年代後半から、さまざまな情報誌・オンラインメディアで、PC、カメラ、スマートフォン、AV機器など、幅広いデジタル機器を紹介してきた。近年はサブカルチャーやテクノロジーなどの分野でも活動中。合理性、機能性だけでは説明できない“トキメキ”のあるガジェットをこよなく愛する。
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