キャンプの楽しさを大きく左右する睡眠の質。ぐっすりと快適に寝るためにも、寝具選びはケチらずにという鉄則もある。しかし、どんなにいい道具を揃えても、隣のテントから激しいいびきが聞こえてきたら……。そんなキャンプ場でよくある「いびきの騒音問題」を最新家電で解決できるのか？ 編集部員が実地検証してきた。
夜のキャンプ場に響き渡るいびきが気になる
多くのオートキャンプ場は21時が消灯時間だ。それ以降はランタンの明かりを落とし、焚き火も控えめにするのがマナー。よって、22時を過ぎればキャンプ場内は暗く静かになるのだが、そんなときに聞こえてくるのが「グオー、グゴゴゴォォ」という激しいいびき。遠くのテントからならそこまで気にならないが、これが隣接するテントからだと堪らない。
かくいうBeyond magazineのディレクター早坂と三宅もいびきがすごい。よく一緒にキャンプをしているが、夜中になると、「グオー、グゴゴゴォォ」といういびきが聞こえてくる。そんな時は耳栓で対策をしているが、ひょんなことから気になる家電を発見した。それが、フィリップスの「SmartSleepスノア サイレンサー」だ。
振動が横寝を促し、いびきを抑えてくれる
いびきの多くは寝ている姿勢によって引き起こされる。特に仰向けだと重力によって舌などが空気の通り道である気道に落ち込んでしまい、狭くなった気道に空気が通るときに振動音が起こり、いびきとなる。
「スノア サイレンサー」は胴体に巻きつけて使用し、横向きで寝ることを促進するためのアイテム。本体に内蔵されたセンサーが身体の向きを計測し、仰向けの場合は振動を起こして、自然な寝返りを促すという仕組みだ。これならキャンプ場でも使えるし、ガジェット好きの二人なら興味を持ってくれそうだ。
というわけで6月中旬、ふたりに実機を送付。メーカーのホームページを見ると「効果が出るまでは慣れも必要」と書いてあるので、キャンプまでの２週間、まずは自宅で使ってもらうことにした。
７月某日、「スノア サイレンサー」の効果を確かめるべく一泊二日のキャンプを敢行。目的はもちろん、二人のいびきがどうなっているかを直に確かめるためだ。まずは自宅で使ってもらった感想を聞いてみる。
「仰向けで寝ていると一定間隔でブルブルっと震えるんです。孫悟空の頭の輪っかじゃないですけど（笑）、最初は違和感があって、何回か目が覚めてしまいました。でも一週間くらいで慣れてきて、最近は朝まで横向きでぐっすりと寝られるように。たぶん、今日はいびきなし。安心して下さい！」（三宅）
「元から眠りが深いのか、ブルブルに気づかず今日を迎えました（笑）。お腹が大きいので、妊婦さんのように横向きで寝るのは得意です。お酒を呑むと100％いびきをかくので安心してください！」（早坂）
三宅は期待できそうだけど、早坂はかなり怪しい。すでに缶ビール６本目だし……。
寝静まった深夜、果たして二人のいびきは…
お腹もいっぱいになり、お酒で上機嫌の二人。21時を過ぎたので、寝る準備をして検証スタート。二人には早速テントに入ってもらい、筆者はひとりタープの下で眠りに落ちるのを待つ。
１時間が経過した22時過ぎ。普段なら聞こえてくるはずの「グオー、グゴゴゴォォ」という音が聞こえてこない。まさか、本当にいびきが止まったのか？
恐る恐るテントの中を覗いていると、三宅は見事に横を向いて熟睡している。しかも「スースー」と子犬のような寝息！ 成功だ。
気になる早坂のテントを開けてみると、こちらも横向き。振動による寝返り効果なのか、お腹の出っ張りのせいなのかはわからないが、いびきが出にくい姿勢をキープしている。だが、そのまま数分見守っていると「グゴ、グゴゴゴ」と、はっきりといびきが聞こえてくるではないか……。残念、早坂は失敗だ。
「スノア サイレンサー」は仰向けでいびきをかき、ほかの姿勢ではいびきが減少する人を対象にした商品。つまり、普段から横向きやうつ伏せで寝ていてもいびきをかくというタイプには効果的ではない可能性があるという。まさに、早坂がそのタイプだったのだ。
ともあれ、結果的に50％の確率でいびきキャンパーを退治できた。「仰向けでいびきをかく」という人は、ぜひ一度試してみるといいだろう。ひとりでも多くのいびきキャンパーが使えば、キャンプ場の夜の騒音問題も解決される日が来るかもしれない。
製品貸与：フィリップス
