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小山龍介が次世代に送るライフハック

テレワーク時代のライフスタイルを刷新する新型iPad

author: 小山龍介date: 2021/08/13

コロナ禍で一気に普及したテレワークにより、ワークスタイルも大きく変わった。オフィスという物理的な空間にとらわれない働き方は、働く場所の自由をもたらす一方で、どんな場所も仕事ができる環境に変えてしまうようなデバイスが求められるようになった。新型コロナの感染拡大から一年が経過した2021年5月に発売された新型iPad Proは、こうしたニーズにしっかりとターゲットを合わせてきた。私は、そのアップデートにすっかり虜になってしまった。

秀逸なセンターフレーム機能

なかでもセンターフレーム機能は、本当に快適である。これは、テレビ会議の際に、ユーザーの動きに合わせて自動的に画角を変えて、フレームの真ん中で捉えてくれる機能である。テレビ会議をしているとき、自分の姿を相手に届けるためには、カメラの位置に合わせて自分の座る位置を固定しなければならなかった。画面の真ん中に映るよう、知らず知らずのうちに、不自由な思いをしていたのである。

ところが新しいiPad Proでは、高性能なM1チップのおかげで、iPadの前で動いてもきちんと真ん中で捉え続けてくれるのである。一人で使っているときには一人にズームインしてくれるし、家族などの多人数であれば全員が収まるようにズームアウトしてくれる。まるで専属のカメラマンがいるかのような錯覚を覚えるほど。AppleのFaceTimeはもちろん、ZOOMやMicrosoft Teamsも即座に対応した。この機能があることで、ビデオ通話は、より自然でストレスのないものになった。

映像がらみで言えば、iPad自慢の画面の美しさも指摘しておきたい。今回のiPad Proでは、私の購入した12.9インチであればミニLEDを搭載し、映像の明暗さがよりはっきりとして、映像の美しさを堪能できるようになった。出張先のホテルの部屋を暗くして映画を見たときには、まるで映画館で見ているような美しさに驚いた。また、個人的に写真を趣味にしているが、Lightroomなどで写真を現像するときにもこうした画面の高い表現能力が効果を発揮した。

音響空間がワークスペースの質を決める

しかしこうした画面の美しさは、テレワークのツールとして考えたときには、あまり本質的なことではないとも感じた。映像や写真などを取り扱わなければ、その良さはそれほど実感することはないからだ。よりテレワークに絡めて言えば、音声周りの環境も指摘しておきたい。2021年6月からApple Musicが対応したことで脚光を浴びた空間オーディオは、ノイズなどの多い屋外のストレスから、解放してくれる素晴らしいテクノロジーだと感じている。集中してアウトプットしたいというときには、音楽を聴いて作業に没頭するようにしているのだが、その際、この空間オーディオは自分だけの集中空間を作るのにぴったりなのだ。

単なるギミックっぽく聞こえるかもしれないが、首をふってみても、音源がちゃんと一定の場所から出ているように左右の音声のボリュームが変化する。つまり、音源の場所が一ヶ所に定位してくれるのである。なかなか言葉では説明しづらいが、カフェで聞いているとまるですぐ目の前の席で、ミュージシャンが自分のためだけに演奏しているかのような錯覚を覚える。

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2021年6月現在、空間オーディオ対応音源は多くはないが、音楽に先駆けて空間オーディオを提供した映像には対応済みのものが多く、私はAppleTVで購入したライブビデオを流しながらの作業がお気に入りだ。楽器数の少ないアコースティックなライブの方がその魅力が実感しやすいように思う。

空間オーディオは、今秋リリースされるmacOS Montereyにおいて、M1チップ搭載のMacにも対応すると言われているが、現状はiPhone、iPadならではの楽しみであり、特に仕事をしながら空間オーディオに包まれる体験は、iPadオンリーのものなのである。

ノートPCとどのように使い分けるのか

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さて、筆者は初代iPadが発売されてからというもの、常にiPadを使い続けてきたが、必ずしも熱心なユーザーだったとはいいがたかった。初期はその性能の限界もあって、スティーブ・ジョブズがプレゼンで行ったように、ソファーに寝転びながらコンテンツを楽しむビューワー的な役割に甘んじてきたし、Apple Pencilや純正キーボードも揃いPCの役割も担うようなタブレットPC機として使えるようになってきたときにも、結局MacbookなどのノートPCを優先して使用してきた。

その一番の理由は、PCでしか使用できないアプリやPCの方が使い勝手のいいアプリがあったことだった。個人的によく使うinDesignなどのDTPアプリやFinal Cut Pro Xなどの動画アプリは、まだiPadに対応していない。PowerPointはiPad版もあるが、細かなレイアウトをしていくにはPCの方が便利だ。この状況は、現段階でも変わっていない。

しかし今回、iPadを改めて使い込んでみて分かったのが、こうしたPC優先の状況を変えるのはiPadの高機能化ではなく、むしろ私たちのワークスタイルの変化であったということだ。その場所を、一瞬にして最高のワークスペースに変えてしまうiPadは、ノートPCとは異なる新しい存在価値をもたらしていると言えそうだ。


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ライフハッカー
小山龍介

1975年福岡生まれ。株式会社ブルームコンセプト代表取締役。企業のイノベーション支援、文化財を活用した地域活性化などを専門にコンサルティングを行う。複数のプロジェクトをこなす中で生まれたテクニックを紹介する元祖ライフハッカー。著書『IDEA HACKS!』訳書『Business Model Generation』など多数。名古屋商科大学准教授。京都芸術大学非常勤講師。
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