ここ最近、某雑誌の企画で読者の十数名にカウンセリングを行った。ファッション誌の読者だけに美意識が高く、確固とした自分を持った大人ばかり。社会的な地位も高く、他人から見られる立場の人も多数。スキンケアもそつなくこなしている人たちばかりなのに、こと“光対策”を聞くとほぼ皆、無関心だった。
ショック!紫外線が招く老化の正体
これはかなりショックな出来事で、毎年、筆者は飽きもせず「紫外線対策をしてくれ!」と声を大にして叫んできた。にもかかわらず、まったく浸透していないという惨状。ということで、今年もまた、本当に大切なことだから、改めて叫ぶ。「日焼け止めを塗らなければ、ムダに老けて健康を害する」と。
紫外線を無防備に浴びるとメラノサイトが刺激され、皮膚は防御するために黒く変色する。これが、“日焼け”。若いうちは新陳代謝が活発で日焼けも夏を過ぎると治まるが、年を重ねると紫外線を浴びていなくても特定の箇所のメラニンのスイッチが入ったまま黒くなり続ける。これが、“シミ”だ。
また、紫外線で肌の乾燥が進み、細胞の核のDNAを破壊し、老化が加速される。これらが、“シワ”や“たるみ”へとつながる。さらに活性酸素を発生させて免疫力を下げ、肌だけでなく体全体に深刻なダメージを与える。ひいては皮膚ガンや白内障などの要因にもなる。
それでもまだ、あなたは光対策をしないのであろうか? 「積極的に不健康になりたい」という人以外は必ず日焼け対策をして欲しい。夏だけでなく、1年中、よほどの土砂降り時以外は毎日、塗布が基本。屋内でも通常の窓ガラスは紫外線を通してしまうので出かけない日も塗布。願わくは2時間毎に重ね塗りして欲しいが、難しければせめて朝と午後の最低2回は塗って欲しい。
プラスαの機能性が備わった最新UVケア
近頃、日焼け止めの進化は目覚ましく、単に紫外線カットにとどまらずその他の機能を兼ね備えている。たとえば、自律神経を乱すといわれる“ブルーライト”やたるみに関係する“近赤外線”など、その他の光からも守ってくれるものや、大気汚染物質や花粉などから防御してくれるものもある。これは守りに重点を置いたタイプ。
次に機能性をプラスしたものもある。たとえば、美白作用のある成分やシワ改善成分などを配合してスキンケアを補強するものもある。中には、皮脂によるテカリや汗由来のニオイを抑えるなどバリエーション豊か。
そして、SDGsへの関心の高まりにより、環境に配慮した処方がなされているものが増えた。光のエネルギーを熱に変換する“紫外線吸収剤”の一部には、サンゴへ悪影響を与えるものもある。それらを排除したケミカルフリーといわれるアイテムもある。実際、ハワイでは前述した成分を含むUVクリームの販売が禁止となるなどの世界中の意識が変化している。
これらの2つ、3つと機能を備えるアイテムも存在し、高い防御力を有しながら肌の改善を望むような複合的なUVアイテムもある。さて、そのような状況を踏まえつつ筆者がお勧めしたいのは3つ。
男性美容のプロがおすすめするUVケア・ベスト3
1つ目はクラランスの“UVプラス 5P モイスチャライジング マルチ デイ スクリーン”。これは強い日差しから自らを守る“マンゴーリーフ”由来の成分を配合したもので、サラリと塗れるジェル状クリーム。独自の“5Pテクノロジー”により紫外線やブルーライト、大気汚染物質などの刺激から肌を守ってくれる。SPF50、PA+++と強力な紫外線カット効果を有しつつ、72%以上がスキンケア成分という優れもの。
2つ目はポーラの“ホワイトショット スキンプロテクター DX”。UVカットしながら美白や糖化ケアを実現した画期的なアイテム。SPF50+、PA++++と強力に紫外線や近赤外線から肌を守り、さらに大気汚染物質を含むマイクロダストやブルーライトまでもしっかりカットしてくれるという頼もしさ。そこに美容成分を届ける独自の“DXシールドデリバリー処方”で角層のすみずみまで有効成分を届けてくれる。汗をかくとUV効果も高まるというのもポイントが高い。
3つ目はナチュラルビーバーの“ナチュラルサンスクリーン”。カナダ発のオーガニックライフスタイルブランドから家族で使える100%天然由来のUVケアを推したい。紫外線吸収剤不使用で、天然ミネラル(酸化亜鉛・酸化チタン)のみで肌を紫外線からガードしてくれるイマドキなヴィーガン処方。その他、カナダ産のラズベリー種子油やヒマワリ種子油で肌の潤いも保つ。生後 6ヶ月以上の赤ちゃんから大人まで使えるのもいい。
開封した古い日焼け止めは即処分を
以前の日焼け止めはキシキシとした感触やなんとも言えないニオイがあり、それが不快で塗るのをやめてしまったという男性も多い。また、塗った後に白浮きして変に目立つこともあった。しかし、日焼け止めの成分の改良が進み、それらの不具合はかなり解消されている。嫌なきしみやベタつき、色変化などは起こらず肌をよりよくする成分が配合されているものも多数あることがおわかりいただけただろう。最後にひとつ注意するなら、一度開封した古い日焼け止めが残っていたらもったいないが廃棄すること。特にニオイや質感が変化していたら塗布してはいけない。買ったら使い切るのが基本だ。
製品提供:クラランス、ポーラ、ケーツー・インターナショナル